短期も長期も
本日の日経紙一面にはヘッジファンドの2011年の平均的な運用成績が、リーマン・ショックに見舞われた08年以来、3年ぶりのマイナスとなるなど欧州危機を受け運用が世界的に振るわない旨が載っていた。運用成績を指数化した「ヘッジファンド総合指数」なるものも出ていたが、しかし今年は大手から著名ファンドまで清算も相次ぎ苦戦続きである。
さて、同紙夕刊一面には同じ運用でもこのヘッジファンドとはガラリと毛色が変わって運用成績次第で受給額が変わる日本版401k(確定拠出年金)の加入者のうち、今年9月末の時点で元本割れに陥っている人の割合が約6割にのぼることも載っていた。この手は確定給付年金のように運用低迷による不足分を企業が補填する物と異なり将来の受給額減少に直結するわけで気になる向きもあろう。
マーケットではヘッジファンドが駆使するHFTのような今が旬?の投資の一方で、その対にある長期投資家や個人投資家がいかに共存してゆくかが論点になっているものの、運用成績は共倒れの様相。著名ヘッジファンドのように参加する向きが限られるような顧客層と違い、パブリックな401kなど裾野が広くゴールが退職時などはるか先とはいえ主力のディフェンシブ物が数十年ぶりの安値に続々と沈む昨今では機運の変化さえ出てもおかしくは無いか。