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先物活躍の場?

さて、昨日の日経紙商品面には「コメ専門店、半数に」として街のコメ専門店減少が続いている旨が載っていたが、コメといえば東京穀物商品取引所の5/18のコメ5月限の受渡価格は、今後の端境期を控えコメ現物扱い業者が在庫確保を優先し先物市場での販売を手控える動きが広がったとの事で60キロ当たり17,940円と上場来の最高値を付けた。

そんな動きに先行して先々週の「eワラント」上昇率ランキングでは「コメ・2012年9月のコール4回」がトップとなっていたのを思い出した。個別の上場企業や日経平均等の指数に交じって個別の商品がランキングに出てくるのは一寸違和感さえ感じる光景だが、何でも素早く商品化するこの手の商品ならではと改めて実感する。

さて、このコメワラントについて当欄では「日経平均VI先物」開始の時に一寸触れたことがあったが、現在コール9月4本、プット9月3本、コール10月4本、プット10月3本の品揃え。メーケットメイクだから殆どは取ってくれ、あのパンクしたエルピーダでも破綻前にはけっこう遊ばせてくれたものだ。ところで、本家の商品オプションは今どうなっているのだろう?こんなワラントあたりに商いが集まるようになったらいよいよ世代交代か。


匠の集大成

本日は、今春開業の東京新名所の中では最後発となった「東京スカイツリー」が本日開業した。生憎の雨に見舞われたものの多くの人出で賑わったが、首都圏の地上デジタル放送を一手に担うこのツリー、武蔵にちなんでその高さは634メートルと電波塔としては世界最高という。

そんな世界最高のタワー、建設中から前を通る度に思ったのだが東京タワーの足元からするに此処の足元は心配になるくらい狭い。それで高さが東京タワ−の約2倍というから今更ながら現代の技術力の高さに関心、また本日の日経紙全面広告でも此処のエレベーターが紹介されていたが、「iPhone」よろしく唯一無二の技術を誇る企業群の集大成ともいえようか。この辺は併設のソラマチもまた然りで、此処には大手ゼネコンの人工海水製造技術を使った水族館が入り、その上でも大手複合機メーカーの製品が使われたプラネタリウムも入る。

さて昨日の金環日食では経済効果にも触れたが、このスカイツリー擁する墨田区ではそれを年間880億円と弾いている。いままで下町の観光地といえば浅草が定番であったが墨田区はその浅草のある台東区の小売業売上高の半分くらいであった。既に此処は開業前から新たな人の流れを生み出していたが、上記の経済効果を鑑みその構図が一変してくるかどうかこの辺も注目される。


金環日食

本日は周知の通りで金環日食。当初は首都圏の天候が懸念されたものの、雲は薄く7時前後から近所の東証隣の鎧橋には人が集まり、蛎殻町界隈の取引員の屋上でも三脚をセッテシングしてなんとかこの瞬間を捉えようとする人々が見られた。なにせこれが首都圏で見られるのは173年ぶり、今回のように国内の広範囲で見ることの出来る機会は300年後というからちょっとしたお祭りである。

さて観察には日食グラスということだが、週末は大手家電量販店から書店に至るまで全て売り切れの札。ちなみにこうした関連グッズの売り上げやら観測ツアーやら諸々でその経済効果は合計160億円前後という試算も出ていたが、数分間のショーでこれほどの額が弾き出されるのも凄い。

経済効果といえば市場のアノマリーはどうだろう?過去23回の金環日食や皆既日食があった日の株式市場は前日比プラスが6割、金環日食のあった3回は全てプラスという。ただもっとスパンを広げてみると日食の前後1ヶ月の株価は総じてマイナス、年でいえば87年のブラックマンデーや09年のリーマン・ショック後の暴落という出来事もありその取り方次第といったところ。何れにしても滅多に無い出来事だけに、諸々良い方向に作用するのを祈りたいところだ。


投機かヘッジか

国内の前3月期決算発表もピークを過ぎたが、なにぶん地合いが悪過ぎてそこそこの決算でも多くの個別は売られる始末という相場が今週は続いている。そんな地合を作った一因にJPモルガンがあるが、周知の通り突如としてデリバティブ取引で20億ドルの評価損が出たとの発表に金融系は動揺し東証でも個別で数銘柄は可也の影響が出ていた。

この取引はCDSに絡んだものといわれているが、ロイターではその裏付けとなる現物債市場の発展で同社がヘッジの再構築を迫られスワップの上にスワップを重ねる取引を行ってポジションの構造が複雑化し1つのスワップの利益で別のスワップの損失を穴埋め出来ないリスクが高まっていたというなんともデリバティブらしい話。膨張して動けなくなったところを餌食にされたというが、この辺は株の仕手崩れさながらである。

この一件が何ともタイミングが悪いというか、金融機関による自己勘定取引とその他の投機的な取引を原則的に禁止する所謂「ボルカールール」に絡んだ議論を再燃させている。渦中のモルガンはヘッジだと強調する一方で、米大統領などこの問題について改革が重要な理由がまさに示されたとして米金融規制改革の必要性を改めて強調しているが、当のルール詳細が確定していないことには結論を出すのは困難極める。

しかしこと金融系は立場が違えば言い分も違う。そういえば国内でも大手石油会社が原油に絡んだヘッジ取引で更正処分を出した国税庁とヤリ合っていたことも数年前にあったのを思い出したが、ルール解釈を巡って広義ではこれもその部類だろう。明確なルール未確定のものは得てして最後は政治力がキーになってくる。


東穀取農産物指数公表中止

昨日は東京穀物商品取引所が、農産物の値動きを総合的に示す「東穀農産物指数」の公表を今月末までで中止するとの発表があった。同所の凋落と共に上場商品の廃止が進み指数の役割が果たせなくなったとの事だがこの公表が開始されたのが2008年、当時の10商品からすれば直近も構成銘柄であるアラビカコーヒーの廃止が決まるなど商品半減ではやむなしだろう。

この指数、東穀取側では「〜世界ではじめての日本仕様の農産物指数で、金融商品の運用機関の方々などに指数を積極的に利用していただくことで、新たな資産運用ニーズに応えるツール云々〜」と謳ってあるが、およそ国内の商品先物で「世界ではじめての〜〜」と謳う類で軌道に乗って成功した例が如何ほどあるだろうか?

この指数も構成状況を見るに近年とてもベンチマークになるような代物ではなかったし、相次ぐ上場商品廃止の経緯からもっと早くに消えていてもおかしくはなかった。しかし指数の類は育て方によっては無限の可能性が広がり活性化の起爆剤に充分成り得るモノだが、この農産物に限らずTOCOMの方でも指数は凋落、もう時遅しかもだがこの辺は他から早急に学ぶ必要があったのはいうまでもないか。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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