選手と企業事情

昨日はメダル数と株価について触れたが、もっと個別の部分ではそのメダルを獲得した選手の所属する企業や契約先企業の株価も毎度乱高下することが多い。昨日などは重量挙げで銀メダルを獲得した三宅選手が所属するジャスダックのいちごグループホールディングスがザラバ360円高まで急伸する一方で、コナミは体操不振の影響か否か突っ込む場面があった。

しかし所属する企業側も夫々が事情を抱えサポート環境も様々、日本電産サンキョーなどは一時その業績不振から存続の危機に陥るも永守社長がポケットマネーを出して存続させた経緯もあったが、そんな業績不振といえばバドミントンのスエマエが所属するルネサスエレクトロニクスもリストラの嵐の中とはいえ同部は存続させる意向という。

そうそう、かつて金メダリストが所属していたもののこの手で存続叶わず廃部になってしまったものといえば、今は無きかつて上場企業であった取引員グローバリーがあった。金メダルを取った当時は会長が5,000万円のビッグボーナスを出す云々と景気のいい話が飛び交い、いま思えばまさに幻となった株価もその頃がちょうどピークであったのをふと思い出す。


メダルと株価(倫敦編)

第30回夏季オリンピックがロンドンにていよいよ開幕した。今回はサウジ等の女子選手も初参加し世界204カ国の男女参加が実現の運びとなるがその開会式のテーマは「驚きの島々」、芸術監督にはアカデミー賞で幾多の部門を受賞した映画監督を起用したらしいが、ストーリー性もあり花火の演出がCGだった先の北京の開幕セレモニーと比較するに一味も二味も違う完成度を感じた。

さてオリンピックといえば巷ではそのメダルに関心が向かうところだろうが、JOCは金メダル数5位以内を今大会の目標とし、具体的には15〜18個のメダル獲得との胸算用をしている。金メダル獲得最多のアテネ超えも視野に入れていることになるが、先週末の日経紙「まちかど」では、金メダルを10個以上獲得すれば日本勢の活躍による心理改善から消費が活発化し、五輪期間中に日経平均が上昇するという旨が書いてあった。

この手の行動ファイナンス理論は北京のときにも触れたがどこのサンプルを取るかで検証結果はコロコロ変わってくる。そういった意味では7/12記の「ジブリ」モノのアノマリーの方がはるかに正確?とも思えてくるが、株価に影響するといえばもっとマクロで見るとオリンピックが開催された後は金融市場でも大きなニュースになるような出来事が起こっていると指摘する向きもありで、さて今回のマーケットはこれら各々に即しどのような動きになってくるのか興味深いところ。


うなぎレーショニング

さて、明日はご存知「土用の丑の日」。うなぎ専門店は老舗含め何処も一番の書き入れ時だろうが、今週初めの日経紙・サーベイには土用の丑の日にうなぎを食べないと回答した人が39%となり、そのうち21%が昨年は食べたものの今年は見送るとしている。その理由のトップは今年は値段が高いからという結果であった。

例年言われてきたことだが、稚魚の不漁で今年の活うなぎ相場は1年前より5割高い1キロ5,000円〜6,000円前後と過去最高の水準という。値上げする店も少なくないが、商機を逃がすまいと本来は冷凍蒲焼に加工する割安品の転用やら、うなぎ以外の食材を使った蒲焼も次々と登場、逆に老舗が出展する百貨店など限定ながらここ直前で値下げする等も動きも見られる。

上記のようにここまで高騰してしまった背景にはしらすうなぎの慢性的な品薄が云われているが、相対取引がメインのこの業界はやはり業者の言い値がモノを言う世界と巷では喧伝されており、こうした業界の歪な力関係もまたこの高騰の主因という。

市場原理を働かせるためにはやはり取引所ということだろうが、この手の特有の商習慣を持つものは今まで上場廃止になってしまった商品先物の銘柄など見るに上手くいかないのが常。この辺の圧力構造がそういった商習慣が廃れない所以だろうがセリの無いものとて要はやはり末端の力、この辺の存在を踏まえつつ何れこの件も均衡を見出せるかどうか興味深い。


新種活況の閉塞感

本日も日経平均は欧州債務問題が重く圧し掛かり、買い材料が皆無のなかをもう年初来安値が指呼の間となってきた大幅続落となっていたが、こんな地合いになるとにわかに活況になるのがやはりVIX系か。本日はこのETFなど朝方から大幅高で始まり、その商いも昨日のほぼ倍増となっていた。

この辺は出来高変化ランキングなどでも挙がって来るので目に付いたが、これに限らず昨日や本日のランキングには個別に交じってNEXTシリーズのレバレッジ型やインバース型など今年の春先に登場したばかりの新種?のETFが顔を出していた。

個別でカラを売ったりオプション系に手を出すまで行かずともそれに比べてはるかに小額資金で遊べる?手軽さが資金を引きつけているのか否かだがコモディティ系の新種が一巡した今、今後更にリクイディティに厚みが増してくるのかどうか投資家層の広がりと併せてこの辺が今後注目されるところである。


毎度の新株価格割れ

本日も株式市場は冴えない展開で6/8以来の8,500円割れの引け。ここ直近はフィナンス物含め個人の手垢が付いた銘柄の下げが加速してきているが、ファイナンスといえば本日の日経紙にはANA株式が公募増資で発行する新株の価格を割り込み、データの残る1980年以降では連日で最安値を更新している旨が出ていた。

公募増資で発行する新株の価格を割り込んでいるといえば、ちょうど一週間前の当欄で挙げた川崎汽船も同価格を大きく割り込み本日も年初来安値更新となっているが、取り巻く環境も世界的景気減速懸念等でキツく増資分は単にオンされたというところだろうか。むしろ上記のANAは昨今の規制効果?もあって増資後の株価下落は限定的で需要喚起の為にディスカウント率が高水準になったとの指摘も出ている。

しかし、同紙の末尾には「市場では増資の必要性に疑問を抱く投資家も多いとの声もある」と締めてあったが、確かにちょうど同じ頃にファイナンス発表した前出の川崎汽船とは台所事情も違い、こんなケースが久し振りに出ると2年前に「禍根を残すファイナンス」と題して触れた我も我ものフィナンスが思い出されるものだ。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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