アルゴの暴走
昨日のNY外国為替市場ではユーロが対ドルで4日ぶりに上昇となったが、このユーロといえば先週はスイスフランに対して一時5ヶ月ぶりの高値近辺まで急上昇する一件があった。これはRBS(ロイヤル・バンク・オブ・スコットランド)証券のトレーダーが引き起こした取引ミスによるものという。
この辺はロイターによれば電子取引プラットフォーム「EBS」でミスが発生し、他の銀行のコンピューターによるアルゴリズム取引が誘発されたことでこの急上昇がもたらされた模様。顧客資産に影響は全く出ていないとしながらも同証券の損益等について公表は無いが、金融市場ではつい最近米マーケットメーカーであるナイト・キャピタルの取引ミスで150銘柄の株価が乱高下する事態が発生したばかり。
RBS証券の財務基盤は兎も角として、このナイトに至ってはたった数十分でその屋台骨を揺るがす規模を飛ばした模様であるからやはりこの手の金融事件は異様と言われても仕方なしだろう。SECやCFTCは高速取引の実態把握に乗り出している模様だが、先にも書いたように初期段階より念には念を入れたシステムや取引でもこの膨張したマネーやアルゴリズムの前に完璧という言葉は存在しなく何れまたこの手は出て来ようか。