自動化の弊害

本日の日経紙商品面には「自動売買で売り膨らむ 成約件数、通常の130倍に」として、17日のニューヨーク市場のWTI原油が5分間で1バレルあたり2.6ドル強急落した旨が出ていた。CFTCは粛々と原因の調査を始めているらしいが、参加者による自動売買が大幅下落につながったとみられている模様である。

自動売買といえばコモディティに限らず近年ではFX等も末端までシステム系が浸透してきた感もあるが、近年のレバレッジ規制等で投資化層によっては資金効率が低下、アクティブさを求める向きに応える形からこうした流れが台頭してくるのは自然なところ。ただこの手が普及すればするほど市場では上記のような突飛な急変値が出現するのは当然だろうか。

国内商品市場でもシステム入れ替え後に石油製品等で異常値が出た際に無効措置が取られたりしたことがあったが、他方でオプション市場等では不透明なシステム売買によって付いた異常値でも付いた値が相場とばかりに先の震災時には多額の資金が市場に消えた経緯もある。結局自動とはいえ使いこなしは人知判断、個々は執行リスクを勘案して臨みたい。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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