新日鉄住金発足
本日の株式市場は手掛り材料難のなか円高で4営業日の続落、主力の鉄鋼も国内証券の目標株価引き下げもあって、昨日の海外大手溶鉱炉閉鎖報道による需給改善思惑からの上げも一日天下の上げに終った格好となっている。
ところで鉄鋼ポストといえば、今週は周知の通り新日本製鉄と住友金属工業が合併して「新日鉄住金」が発足している。取引所よろしく世界では大型買収が次々と成約し、欧州やアジアでもこれらのメガ物台頭でかつて粗鋼生産世界一とした新日鉄とて国際競争力回復のための合併話は自然な成り行きだっただろう。
ちょうど先月の日経「私の履歴書」も新日本製鉄名誉会長の執筆で、最終回には「理想的な統合が実行され、真にナンバーワンの製鉄会社になると確信している。」と記してあったが、そんな期待を背負ってこの話が出た当時は新日鉄は買い気配から40円高と急騰して寄るなど大騒ぎになった記憶が新しいものの、その後は互いに持ち合いしていた株式下落で一転赤字予想を打ち出したり今やその株価は半値にも満たない惨状となっている。
株価よろしくおりしも逆風下の発足となり今後も棘の道は避けて通れないのは想像に難くない。粗鋼生産は世界二位に返り咲いたものの首位の半分程度でアジア大手とはほぼ同じ規模、原料価格の高騰が続けば当初の目論見も狂ってくるなど課題は多い。
そういったことでこれからの手腕に注目したいが、ともあれ同業界に限らず今回の合併が国内企業の合従連衡復調の起爆剤となるかどうか今後も大いに注目される。