似て異なる用語
今週はIPOが2社あったが、うち本日は(キャリアリンク)がマザーズに新規上場、公開価格はブックビルディングの不調から仮条件上限で決まらなかったものの、寄りは差し引き130万株の買いものから始まり結局、公開価格の2倍以上の値の買気配のまま初値形成を明日以降に持ち越すこととなった。
週明けに上場したもう一社の(ありがとうサービス)も公開価格が仮条件下限で決定していたことで初値が注目されていたが、蓋を開けてみれば11.3%上鞘でスタート、初日から2日連続でストップ高と破竹の勢いから上場3日目で公募価格倍増達成となった。需給が全てといったところだが、今月の第一弾に刺激された部分は小さくないだろう。
ところでIPOといえば、先月には「親引け規制」の緩和が為されている。もともと幹事証券等が企業が指定する法人や個人等に優先的に公募株等を売ることは禁じられていたものの、この規制緩和によって払い込みからある一定期間の保有等条件付きで一部これが可能になる事となる。
株式関係の規制緩和といえばこんな低迷下で今や随分と盛んになってきた1994年の一部自社株買い解禁、続いて2001年にはこれに絡んで金庫株制度も解禁になってより機動的なものになった経緯がある。IPOはその業態や知名度でムラがあるのは否めないものの、この辺はまたこれでIPO活性化に繋がるかどうか注目される。
余談ながらこの「親引け」なるもの、同じ金融系で証券と商品共にこの言葉が存在するが商品の場合、渡し物のあった売り方がカバーして途転等に使うなど一寸意味が違ってくる。他にも「仕切り」なる言語があるがこれも商品では通常は手仕舞いの意だが、証券の場合今では化石になってしまった悪しき営業形態を指すなど両者でまったく違った意味になってくるものが存在するから面白い。