2ページ目

LNG市場

本日の日経紙企業面には、関西電力が北米の市場価格に連動するLNGを2017年から調達するとの旨が出ていた。原発再稼動が遅れる中を割高とされるLNG調達コストの低減に繋げるということだが、このLNGといえば先週には経産省が世界初の先物市場創設を検討する協議会を開催、TOCOMや取引員含む18社が参加した模様だ。

LNG先物については当欄でも夏場に電力先物と共に上場要請があった旨に一寸触れたことがあったが、石油先物市場をよく使っていた当業勢もかねがねこのLNG待望論を口にすることが多く、取引所の中期計画内でも上場検討商品でA重油を外しLNGを加えていたことからこの流れは自然なところで、経産省も実現の暁には市場は需給に応じた価格になるとしている。

ただこれまた独特の商慣習が存在しており、この辺が壁になって今迄他の市場でも数々の新規上場商品を打ち出したものの、食品から産業資材までそのリクイディティーの無さから可也足元の需給とは乖離した相場が続いていたのが記憶に新しい。新規上場商品でなくとも、例えば東穀取でかつてスタートさせた「eコマース」等もこの壁が障害になったいい例でありこの辺をどうクリヤするかが課題となろう。


あり得る環境

週明けの本日も引き続き円安や政権交代期待を囃して日経平均は続伸となり、主力中心に個別も堅調相場となっていた。「家電御三家」も全般の雰囲気に呑まれ恐る恐る戻りに入っているが、直近ではパナソニックが1975年以来、実に37年ぶりの400円大台割れとなり、シャープは既に40年以上前の安値を更新、またソニーも1980円以来の32年ぶり安値に沈むなど最近では年足がしばしば活躍する始末となっている。

ここまでボロボロに売られた背景はパナソニックやシャープなど予想をはるかに超える巨額の赤字がサプライズであったが、黒を確保したソニーの場合、突如として15%超えの希薄化を生むCB発行の報がサプライズとなった模様で安心買いが付いた分余計にそのその投げ物も大きいものとなった。

ところでソニーといえば、社債でもCBならぬ株式連動社債が今年の夏場に外資系の発行体から売られたのが思い出される。その頃の株価は1,000円の大台を割ったり戻したりを繰り返しているような水準であったが、このノックイン判定水準が当初価格の60%の設定となっており約600円というところ、この手は販促のパンフ等の錯覚?効果もありノックインまで可也遠いという感覚に陥り易いがその後上記の通りの急落で一気に値位置が変わる等その行方は一気に不透明漂うモノに。

このノックイン債、幸いにも3桁の値頃感がある程度働いたことで105%で設定していた早期償還判定水準に抵触し第一回目で難無き?早期償還となったワケだが、昨今市場を取り巻く環境を鑑みるに株価にとっては寝耳に水のサプライズは何処に潜んでいるか分からず、この手の商品には十分な注意が必要なのはいうまでもない。


似て異なる用語

今週はIPOが2社あったが、うち本日は(キャリアリンク)がマザーズに新規上場、公開価格はブックビルディングの不調から仮条件上限で決まらなかったものの、寄りは差し引き130万株の買いものから始まり結局、公開価格の2倍以上の値の買気配のまま初値形成を明日以降に持ち越すこととなった。

週明けに上場したもう一社の(ありがとうサービス)も公開価格が仮条件下限で決定していたことで初値が注目されていたが、蓋を開けてみれば11.3%上鞘でスタート、初日から2日連続でストップ高と破竹の勢いから上場3日目で公募価格倍増達成となった。需給が全てといったところだが、今月の第一弾に刺激された部分は小さくないだろう。

ところでIPOといえば、先月には「親引け規制」の緩和が為されている。もともと幹事証券等が企業が指定する法人や個人等に優先的に公募株等を売ることは禁じられていたものの、この規制緩和によって払い込みからある一定期間の保有等条件付きで一部これが可能になる事となる。

株式関係の規制緩和といえばこんな低迷下で今や随分と盛んになってきた1994年の一部自社株買い解禁、続いて2001年にはこれに絡んで金庫株制度も解禁になってより機動的なものになった経緯がある。IPOはその業態や知名度でムラがあるのは否めないものの、この辺はまたこれでIPO活性化に繋がるかどうか注目される。

余談ながらこの「親引け」なるもの、同じ金融系で証券と商品共にこの言葉が存在するが商品の場合、渡し物のあった売り方がカバーして途転等に使うなど一寸意味が違ってくる。他にも「仕切り」なる言語があるがこれも商品では通常は手仕舞いの意だが、証券の場合今では化石になってしまった悪しき営業形態を指すなど両者でまったく違った意味になってくるものが存在するから面白い。


CBも投機熱

本日の日経平均は欧州の経済指標を控えてその不透明感から引き続き手控えムードが漂っていたが、中身は個人が手掛け易い低位の材料株群が大賑わい。なかでも代わる代わり接近説が出ては消えるシャープは、本日は米インテルやクアルコムとの資本提携観測が浮上し6,000万株に迫る大商いとなっていた。

こうなってくると貸借に絡んだ需給合戦になってくるが、同様に熱くなったのはCB市場もまた然り。大手家電モノは総じてメッタ売りに遭っていたのが、このシャープは一転して本日は雲の上のような転換価格のCBが前場段階でストップ高まで買われるなど異常な様相となっている。

東電のときもそうであったが巨額赤字を出した大手家電の影響で社債市場は直近まで通常の光景とは違ったものとなり、特に低格付け債へは殆ど食指が動くような状況ではなくなり、逆に利回りが異例の低さの物でも高格付け債へはあぶれた資金が可也集まってくるという。ジャンク物にも一定のリクディティーがある米など見るにこの辺やはり構造の違いを感じる。


ETFの伸び代

昨日は金についてETFランキング等にも触れてみたが、このETFといえば今月アタマの日経紙の夕刊一面でこのETFの9月末における世界純資産残高が約145兆円と2011年末比で21%増えて過去最高となった旨が載っていた。

手数料の割安さや指数リンクなど分かり易い値動きや商品性が好まれている模様だが、国内でも東京証券取引所など全国の証券取引所が先に初めてこのETFの保有分布状況を公表しており、それによれば7月末時点の株主に相当する受益者数は36万5,614人、うち個人が全体の98.3%を占めているという構図となっていた。

昨日一寸挙げた10月度のETFランキングでは1位がNEXTシリーズの日経平均レバレッジ、そして2、3、4位とオーソドックスな指数モノが並び、5位にはTOPIXブル2倍、6位にはVIX、そしてコモディティものと続いていたが、1位のレバレッジや5位の2倍など共に今年の春先に上場したニュータイプもので、最近ではこの手の人気も上がってきているのが窺えこの辺もまだ伸び代が期待出来るか。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

カテゴリー

アーカイブ

2012

11

1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30