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在庫豊富の調達難?

政権交代を囃してこのところ円安・ドル高が進んでいることもあって、国内の商品先物全体の値動きを示す日経・東工取商品指数は昨日には4月中旬以来約8ヶ月ぶりの高水準となった。本日も続騰となっており商品高の好感から商社株や別子こと住友鉱も高いがこれを含む非鉄系もこのところ堅調が目立つポスト。

この非鉄といえばLMEで決める地金価格にメーカーなどが運賃や手数料を加味するプレミアムが高水準になっている旨を日経産業紙で見掛けた。アルミ地金等の国際在庫は過去最高水準ながらLME指定倉庫からの引出予定量昨年末の10倍以上に増加し、地金を取り出しの煩雑さと相俟って出回りが品不足になっているという。

LMEといえば当欄でも度々取り上げた通りけっこう驚きな値で香港取引所が買収手続きを終えたところであるが、参加する多くの金融機関は地金購入と併せ先物に絡めて利鞘を稼ぎ系列の所有倉庫に保管というパターンが定番、彼ら主力勢は買収前の大株主であった向きが多く買収後も尚影響力があるところなど先ずは円滑さを狙う香港側の目先の試練となってくるか。


オセロ衆院選

第46回衆院選が16日投票、即日開票されたが果たしてというか自公合せ320越えで圧勝し3年一寸で自民党が政権奪回ということになる。民主は公示前の約四分の一に落ち込む歴史的な惨敗ということだが、想定された通知表としてはこんなものだろう。

ところで今回の投票率だが、日経の推計では59.26%前後と1996年の小選挙区比例代表並立制導入後の最低だった96年の56.65%を下回る最低水準見通しという。もともと今回は衆目の一致するところで所謂熱狂型でなかったのは当然なところだが、やはり以前書いたこの手の先物創設などの動き等あればこんな時代こそ非関心層に対する効果がけっこうあるのではないかと思う。

さてそんなマーケットに絡みでは、民主バブルの時には株式市場では子育て関連株が軒並み急騰したのが記憶に新しいが、今回も自民圧勝を織り込む形で不動産やら建設、電力株が急騰してきたものだが、90年以降の歴代首相の株価パフォーマンスでは安倍氏がトップということもあり開票結果が出ても尚週明けの市場で東電が更にストップ高となるあたりにこの辺の人気を再認識させられる。

ただ、何れこんな個別でもバブルがはじけ期待プレミアム分がカラ売り筋の恰好のターゲットになってくるのは想像に難くないが、これは政策も同様なこと。どの程度が現実的に可能になってくるのか株価と共にその舵取りを一喜一憂で見てゆくことになろう。


City of Gold

さて、昨日の日経CNBCでは「知られざる黄金の都 ドバイ・中東から2013年金市場を展望する」として中東の金融センターとして、様々な分野でその存在感を増しているドバイの金を絡めた金融事情が放映されていた。

冒頭では私の知人もCAをしている「エミレーツ航空」などの紹介と共に、今のところ世界一の超高層ビルであのアルマーニホテルが入る「ブルイジュハリーファ」等が出てきたが、思わず昨年の映画、ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコルなどが思い出される映像である。

その辺は兎も角も中盤、中東で金が売れる理由としてイスラム金融は金利を禁止とか、豊島氏談では嫌米債なる商品まで存在するという伝統的な米国嫌いというのがあったが、そういえば上記のような理由で、かつてトヨタが発行したスクーク等も思い出される。またもう一つ、女性に認められるアセットは宝飾品のみというのもあったが、この宝飾といえば年に一度開催されるという「ドバイ・インターナショナル・ジュエリーウィーク」の様子も初めて見たが、さしずめ「バーゼルワールド」の中東版といったところか。

他にもドバイ商品取引所やDMCC系のドバイ金商品取引所なども出てきたが、あのドバイ・ショックからはや3年、こうした金や原油のようなコモディティー始め今後も金融センターとしてその存在感がどの程度影響してくるのか目が離せない。


茶房へ転身

昨日は、株式投資において個人投資家の昨今の環境が証券会社のディーラーとほぼ遜色ないレベルまできているのではないかとしたが、その後に中小の規模縮小とも相俟ってとしたようにディーリング事業を残しながら細々とやってきたところも近年店じまいするところが加速してきている。

兜町界隈の景色が変わってきたところはもう既に書いてきた通りであるが、もう少し先に足を延ばし日本橋中心地へきてもその辺は一緒である。上記の件と絡めて最近印象的なのは目下のところやはり高島屋周辺地域の再開発の下で昨年喫茶店を出した赤木屋証券だろうか。

赤木屋といえば自己で業界でも有名な存在であったが、株式のみならず商品においても一頃はTOCOMの会員になるなど精力的であったのが思い出されるが、ココも年内に廃業が決定している。以前にも書いた十字屋といい赤木屋といい、新興勢の新規参入がある裏で粛々とこうした老舗が消えゆくのは時代の流れとはいえ寂しい限り。


損して得取れ

内外共に重要日程を控えているだけに、昨日も本日も株式市場は約1ヶ月ぶりの薄商いとなり、日経平均も凪のように小動きになってしまっているが、こんなときはどうしても日計り売買など主流になってくる。そうなると先にも書いた各社の手数料の引き下げなどジワリと有難みが増してくるが、松井証券は来年からこの日計りのマル信金利と手数料をゼロにするサービスの開始を先に発表している。

1注文の取引金額が300万以上が対象だが、はロングのみならずショートに関しても金利がゼロになる点などユニークである。現状で今年4-9月の日本株売買代金の16%強を個人が占め、うち過半はデイトレーダーなどが手掛ける信用取引とのデータが先の日経紙に出ていた通りさすがにそういった状況になるとこの手の層は無視出来ない存在となり多少場口銭が持ち出しになってもこうしたところで先手を打つのは自然な流れか。

ところでデイトレーダーの台頭といえば余談ながら併せて昨今も依然として摘発が相次いでいる。最近では7月のジェイプロジェクト株の仮装売買、9月の黒崎播磨株の仮装売買、また直近では1先月にも十六銀行株の仮装売買でそれぞれデイトレーダーが課徴金納付命令勧告を出されている等々。

まあその辺は兎も角も、しかしここまで来るともう個人も証券会社のディーラーとほぼ遜色ない水準まで来ているのではないか。想定元本など自己賄いとなるものの、中小の規模縮小とも相俟って腕に覚えのある向きなど今後も増殖傾向になるのは想像に難くないか。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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