促進と環境整備
週明けの日経紙特集には「ニッポン金融力会議」として、第2回トップシンポジウムの様子が載っており投資を促す環境整備の重要性が課題となっている旨が謳ってあった。昨年は前政権下でショートやセルボラが天下だったものだが、年末からはアベノミクスが好感され一般にも取り易くなってきた市場に変貌しているのは周知の通り。
そんな折だけにこうしたシンポも虚しい掛け声に感じられなくなってきたが、環境整備といえば先週発表された2013年度の与党税制改正大綱ではデリバティブ取引と現物株式の損益通算が検討事項に盛り込まれていた。
デリバティブといえば商品先物は当然その範疇だが、TOCOMは日本取引所グループとの合流について予てより証券と取引する口座が一元化できるよう損益通算を条件の一つにしていた経緯からこの辺は歓迎の模様だが、実際の合流については慎重論が底流にあり今後の展開については先ずはポスト替以降に具体論という形か。
証券優遇税制については一寸燻るものがあるもののFX税制一本化となり、直近では損益通算対象を公社債等債券にも広げる方針と徐々にではあるが環境も変化しつつある。冷や水を浴びせるような後退よりは遥かにましだが投資の啓蒙・促進には或る程度暫定でもドラスティックな措置の必要性を感じる。