IR模索

さて、先に多くの上場企業の決算関連重要情報がインターネット上で複数の投資家に閲覧されたという件について触れたが、その後の東証など全国5取引所による全上場企業対象の実態調査では、100社を超える上場企業がアクセス制限などの事前閲覧を防ぐ対策を取っていなかったことが明らかにされている。

この手は常に鼬ごっこの部分もあるので果たしてという感じもするが、こうしたディスクロも昨今の相場回復で外人投資家が回帰するなか企業への訪問依頼も格段に伸び、そうした観点からもIRの重要性というのも日に日に増している。

指定替えの問題も控えるなか、今まであまり外へ気を遣わなかった企業もそろそろ重い腰を上げる時期に来ているが、上記の件に関して東証等は上場規則に新たに事前閲覧を防ぐ為のセキュリティー対策を取ることも盛り込む方針とし、また金融庁も該当する非上場企業に対しても、公表前の決算情報等を外部から接続可能な管理サーバー等に保管しないよう通知することにしている。IRの進化もこの辺踏まえて模索すべきだろうか。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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