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先手と出方待ち

本日の日経紙一面には「FX取引 円・ドル4倍」として急速に進行している為替相場の円安・ドル高を受けて個人投資家のFX取引が、日銀新総裁が大規模金融緩和を決めて以降の1日あたりの売買金額が前年平均の約4倍に膨らむなど急拡大している旨が載っていた。

斯様な取引高増加と言えば証券の如くこちらの業界も笑いが止まらないイメージではあるものの、一方では月内に自主規制団体である金融先物取引業協会などは不透明な価格形成を規制する指針を月内にも打ち出す方針となかなか浮かれムード一色というわけではなさそうだ。

この自主規制といえば先月はバイナリーオプションにおいて、予想する期間が2時間より短い商品は提供を禁ずるなど予想期間や1日あたりの取引回数を規制し、顧客の資産に応じ投資出来る金額に上限を設ける等の自主規制案もまとめられている。

この手の「射幸心」関連とされるものは昨今は自主規制を先手先手で打つ傾向になってきているが、その後はけっこう明暗別れる傾向もまた鮮明でこの辺はまた注視しておきたいところ。


戦略的時価総額

さて、週明けも株式市場は騰勢衰えず174.67円高となったが、新興市場も続伸で新興といえばやはり気になるのが週末に触れたガンホーか。本日もストップ高で寄った後にしばらく買う機会を与え、後はお約束のようにストップ高張り付きとここ最近のパターンである。

ところで、ここまでくるとバカにならないのは時価総額。本日は連続ストップ高の暴騰によるガンホー効果で本日のJASDAQ-TOP20上昇率は2割を超えたが、ここ1ヶ月でも数々の名立たる幾つもの名門企業よりも上鞘になってしまった。

この辺は全く畑の違う異業種で比較しても仕方の無いことだが、同じエンターテイメントという枠で並べても時価総額がなんとオリエンタルランドを抜き去り、更に一時は任天堂をも上回る異常?事態となっている。まあ市場は下克上、これが今後恒常化し異常とは思われなくなっても何ら不思議ではない世界である。

しかし株価で測るエンターテイメントの価値というか基準は何処にあるのだろう?スマホゲームより夢の国の方がはるかにそのバリューはあると思うのだがまあその辺は兎も角、今のこんな光景はさながら一寸前のITバブル全盛期の頃の多くの新興企業が奇異な目で見られていた光景の再来のような感覚に陥る。


アナリストも一般も

さて、連休後半入り前の先週末の日経紙マーケット欄には「株、連休後 上昇速度鈍る」として、米国や中国など海外景気に先行き不透明感が広がっていることで上昇テンポが鈍るとの旨が証券会社等のチーフストラテジストやらチーフエコノミストの見方として載っていたが、果たしてその連休明けはザラバで500円以上も急騰する場面を交え4年11ヶ月ぶりの14,000円台を回復している。

結局今週は4営業日にもかかわらず900円以上の急騰を演じ、まさにこんな上昇速度鈍るとの慎重記事を嘲笑うかの如くの急騰であったが、彼らの5月末までの日経平均見通しで一番高値を挙げていた向きが14,000円であるから慎重論先行で買いが出遅れている向きが多数というのも頷けるという感じである。

そんなワケで一昨日の日経紙にも衆院解散表明後の個別銘柄で株価が何倍になったかの上昇率ランキングが載っていたが、記載されていた30傑のうち個人的に売買したものが約半分ほど入っていた。中でも1位に輝いたガンホーなんぞは思い出深く、この会社あまりにも安過ぎるだろうと買ったのが昨年のまだ分割前のそれこそ10万円台の約定値段であったがそのまま持っていれば直近株価換算でなんと50倍以上にもなっている計算だ。

当然ながらそこまで辛抱強く粘れる性分ではないので仕手株感覚で数倍になったところで利食ってしまったが、それにしても売ってからの上昇たるや本日のストップ高含めまさに阿鼻叫喚の世界。手放した株数を考える度にため息が出る。日経平均が上昇する度につい最近までもっともらしく能書きを記した自分の予想変更を余儀なくされているアナリスト連中の外れ具合を笑っている場合ではないか。


一服の金あれこれ

昨日の日経紙夕刊・十字路には「金バブルの終えん」として先月急落した金相場のことが取り上げてあったが、金融市場や通貨への不安感後退、インフレ懸念の後退や資源投資ブームの退潮等によりETF主導で下落した経緯が記されてあった。

こうして金の値動きが荒くなったこともあって先月の国内の商品先物取引所の売買高は前月比45%増となり、この主力の金先物に至っては171万9,855枚と80%も増加することとなったが、先物に限らず上記のETFもまた然りで昨年から増加傾向にあった売買代金が先月は更に大幅増となった模様である。

こうしてゆくなかで果たしてホルダーの面子が変遷してゆくか否かも気になるところだが、金といえばまた別なニュースで金と銀を法定通貨とする法案が金下落でも衰えず、米国の6州の議会で審議されている旨をブルームバーグが報じておりこちらもまた別の意味で相場を読む上で興味深いものがある。


表と裏の障壁

昨日の日経紙「風速計」では「進まぬ統合は誰のせい?」として、JPX(日本取引所グループ)と東京商品取引所の統合問題が、総合取引所の検討から6年経過しているにもかかわらず遅々として進んでいない旨が書いてあった。

そんな統合の障壁となっているとされているものに、統合時における経産省天下りのポスト減問題という一文もあったが、それ以前の東穀取解散の際にも周知の通り農林族の天下りポストを巡る醜い抵抗劇が散々取り沙汰された経緯があり、主務省の天下り絡みの醜聞は環境変われど尽きることがないなとつくづく。

また事務的な部分においては顧客への勧誘に関わる規制が異なるとも書いてあったが、この手ではもう一つ統合し金融商品扱いになった場合のインサイダー取引規制という問題もある。主力の参加者には当然当業者も居るが、彼らの取引のヘッジか否かの部分の線引きをどうするかという問題等は極めて難しく、この辺の均衡点というか解釈の一致も求められ未だ未だ難問山積みといったとろか。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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