値段もうなぎ上り

さて本日はご存知のとおり土用の丑の日、今年は二回あるが先ず本日は一の丑で何処も老舗どころは朝から慌ただしさが感じられた。周知の通り近年稚魚の不良が深刻化し、今漁期のシラス池入れ量は前年の75%にとどまっているという。

ということでシラス・親共に価格はまさにウナギ上り、昨年実績は一昨年の2.5倍だったというがなんだかんだでここ10年では約10倍に跳ね上がっている。こんな原資産のデリバティブが個人向けにでもあったらさぞや面白いなとも思うのだが、兎も角そんな事情で一昨年と同じ価格の重なんぞ頼もうものなら肝心の鰻が可也残念な姿になってしまうのは火を見るより明らか。

とはいえ今年は春先にアベノミクス効果で兜町の鰻屋で特上が品薄になるなど話題を振り撒いたこともあった。うなぎのぼりという証券関係者の験担ぎなのだが、証券といえば実際機関投資家のなかには個人消費にどの程度増大余地があるかこのうなぎの売上をウォッチしている向きも居る。

ただそんな一方でコスト高から経営も限界に達し老舗の中にもこの丑の日を前にして暖簾を下ろす店が今年は多数、この近所でも注文してから鰻を捌いてくれる素晴らしく美味しい老舗があったのだが此処も今月店を閉めることになりこんな明暗を目の当たりにし寂しい限りである。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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