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コミュニティー・パワー色々

今週はなんといっても連日の猛暑となっているが、この影響で東電始めとした8つの電力会社の管内電力需要は連日の最高更新となっている模様。ところで電力といえば発電ビジネス等に参入する「コミュニティー・パワー」に関する動きがこのところ彼方此方で散見される。

事業資金のうち何割かを、期間5年で目標利回りを1〜2%という市民ファンドで募集したところなどは応募が殺到したというが、そういえば4月には山形のクラゲで有名な水族館が「クラゲドリーム債」なるミニ公募債を募集したところ、募集開始からわずか20分で3億円分が完売となった旨の報道も思い出した。

ところで債券ついでの余談になるが、基金運用の為に為替相場に連動した仕組み債を購入した関西の某市は、その後の相場外れでリスク説明不十分とした訴訟を起こすほど評価損があったものの昨今のアベノミクス効果でこれが解消、訴訟も取り下げたというがこちらは何ともご都合主義な感は否めない。

それはともかく話は戻るが、地元企業や地元市民、自治体のそれぞれの思いが受け皿となるこうしたコミュニティー・パワーの台頭等が、結果として地方経済停滞を打破する切欠になるのならこの手の創造は非常に意義のあるものではないか。


アジア最多

本日の日経平均は、前場の100円以上高い場面から後場は一転200円近くまで下げる場面があって引けは小反落となっていたが、週明けなどは急反落で安値引け、昨日9日は急反発で一転しての高値引けなど依然として先物が市場を振り回している格好である。

こんな乱高下の展開が続き売買代金の減少もいわれているが、そんな中において指数連動型のETFの1〜6月の売買代金は約10兆円と前年同期比の4.3倍に上るなどこちらは売買が急増している。既にアジアでは最多になった旨の報道がされているが、この売買増加を牽引しているのがレバレッジ型やインバース型という点がなかなか面白い。

さてETFといえば既に欧米では桁違いな商いが築かれているが、米の量的金融緩和の縮小観測を背景にした個人投資家等の売却で先月は過去最大の120億ドル弱の資金がETFから流出したという。こちらはいわずもがなコモディティも株式同様に発達しており金など既に大きな影響力を持っているが、本日の日経紙の東証社長インタビューではETF上場を増やし海外機関投資家資金を取り込みたいとしている。

出ては消えとならぬようリクイディティ確保など課題はあろうが、NISAと絡めてのマーケティングも彼方此方言われだしておりコスト論より先ずは普及で今後の進展度合いを注視しておきたい。


補完から表舞台へ

本日の日経紙商品面には「東商取の先物商品 夜間取引が最高に」として先週末の夜間取引が16万1,245枚となり、2009年5月の夜間取引開始以来の最高になった旨の記事が載っていた。売買高は6月の1日平均の3.7倍に達したというが、取引時間中の5日夜に発表された米雇用統計を受けてFXと共に金などの取引も膨らんだ模様。

2年ほど前に、「〜ETNのように取引形態の多様化と併せ、金融取引のグローバル化はジワジワと個人レベルまで浸透しつつある現れか。ところで夜間取引といえば一足先に昨年からスタートしているTOCOMの夜間取引はどんな状況になっているのだろうか?」とコメントしたことがあったが環境変化と共に伸びたというところか。

さて夜間といえば株式等も「PTS取引」が活況である。先にも書いた通り今年の1〜3月の売買代金は7兆円を超えて四半期で過去最高を更新、もう一つ金融取引所の「くりっく株365」も数年前から夜間は活況と聞く。活況とはいえ銘柄によっては板の薄いモノなどはさすがにまだ値が飛んだりもするが、先にも書いたPTS取引の刻み値などはこちらが一歩国際標準化しており、これら含めもはやサブ市場等という一昔前のイメージではなくなっているのはいうまでもない。


環境改善

先週はサントリー食品上場があり、前回ではこの事にも触れたが本日の日経平均の中盤からの急変にもこんな新規モノは然程動じずに比較的しっかり推移であった。オイシックスなんぞもこの類に入るがこれらに見られるように新規上場銘柄が盛り返し、上場1年以内の銘柄の値動きを示すIPOインデックスが先週4日には約1ヶ月ぶりの水準まで上昇した旨が先週末の日経紙にも載っていた。

上記のサントリー食品迄で初値が公開価格を上回るのは実に25社連続であるが、なんといっても初値が公開価格の数倍化が続出するというパフォーマンスの貢献は大きい。今月モノだけ並べてみても11日のぺプチドリームが約3.16倍、13日の横田製作所は約2.36倍、26日のリプロセルに至っては約5.56倍と破竹の勢いである。

5月のあの13年ぶりの暴落以降も不安定な下落で個人投資家が傷んだ云々の記事をよく見かけるが、ある程度腕に覚えのある向きは殆ど傷んでいないのが実情と思う。たとえ暴落相場になっても腕力の大商いでほぼ確実に取らせてくれる仕手系は循環でコンスタントに出て来ているし、IPOのプラチナチケットは上記の通り益々輝きを見せているワケで、買い玉のヤラレ分など可也の部分がカバーできてしまう相場が今の環境ではないか。


いわば折衷案

さて今週のビッグイベントといえば昨日のサントリー食品の上場であっただろうか。注目の初値は公開価格3,100円を20円上回る3,120円と大人しいスタートとなり、本日もそこそこしっかりであったがいずれにせよ時価総額は1兆円に迫り、この規模は以前の大塚HDを彷彿させる今年最大の大型上場となった。

ところでサントリーといえば思い出すのが4年前のキリンとの経営統合案か。強モノ同士の経営統合で当時は大手4社体制が崩れコカ・コーラを抜く大手誕生かと騒がれたものだが、結局両者の思惑違いが重なり破談になってしまった経緯があった。メジャーを睨んでの大型統合話がマルになってしまったケースであったがあれから数年、非公開路線のイメージを破っての上場である。

とはいえ今回の上場は実によく考えたもので、本家のサントリーHDはやはりというか非上場のままこの上場後のサントリー食品の株式はなお約6割握り、同族ならではの自由度は確保という構図か。しかし先の株主総会でもコーポレートガバナンスの重要性が謳われていた折、この辺絡めた市場からの目というか新しい株主と今後どう付き合ってゆくのか暫し注目である。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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