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お墨付きという常套句

本日の日経紙マネー&インベストメント・安心キーワードには投資詐欺を見抜くと題し、ファンドに投資を募る業者が「第2種金融商品取引業者」、「投資運用業者」等の登録をしてあっても玉石混合で、登録や届出を強調して勧誘する業者には安心できないとし注意したほうがよいとしている。

最近ではやはり米金融業者のMRIインター事件が話題であったが、同社など監督・検査は地方財務局が担当、大手証券などの金融庁管轄と異にしている。この証券等も地場のようなところになると所管は地方財務局となっており、まさに同所は様々な形態が集結し上記の監督等手薄になり易い構図にもなっている。

上記登録以外にも「適格機関投資家等特例業務届出者」なる物もかつては魑魅魍魎な連中がよく隠れ蓑にしていた時期もあった。というワケでココも最近では漸くというか問題視されるようになってきたが、一方では過度な強化は真っ当な業者の壁になるとの指摘もあり自由と排除をどう両立させてゆくかこの辺が課題になる。


優等生の構図が変わる?

本日の日経紙企業面には鶏卵生産で国内最大手のイセ食品が、中国企業と年内にも合弁会社を設立し中国で最大となる養鶏場を建設する旨が載っていた。さてこの鶏卵といえば養鶏農家の生産調整と猛暑の影響で、指標品の卸値が7月中旬に比べて約4割ほど高くなっている旨も先週報じられていた。

とはいえ店頭での鶏卵全国平均価格は7月比で3円高にとどまるなど小売価格自体の上げ幅は小さくこの辺はさすがに「物価の優等生」といわれる所以である。但しメーカー等は卸値高騰に品薄も加わり原料確保に苦慮しているのが現状で、輸入シフト問題等絡めて末端価格への影響も懸念されるところ。

「物価の優等生」といえば先週取り上げたヤクルトも20年以上にわたって価格を変えていないことからやはり同様の位置づけにあったものだが、前述のとおりの値上げ表明でついにこの構図も破られることになる。オリンピックの開催が決まったことで資材含めた関連コストの高騰も株式市場は早くも先取りし始めておりインフレもヒタヒタと始動の気配か。


五輪相場

週明けから取り上げているが、今週のマーケットはまさに五輪一色となっている。東証一部で見れば週明けには17銘柄がストップ高まで買われ、翌日にはこの中からの連続ストップ高も含めて8銘柄がストップ高、当然ながらその勢いで年初来高値更新組もありまさに破竹の勢い。

これらで中心になっている建設ポストは万年低位に放置されていたものが多く、出番も大地震発生の時くらいしか大化けの機会も無かったものだが、この数日間同ポストの体感温度としては日経平均上昇の3倍くらいの感触ではなかっただろうか?何しろ昨日の日経紙にも書いてあったが、ゼネコン大手4社の売買高が週明けから2日連続であのバブル期の記録を上回ったというからその活況ぶりが窺える。

こういった相場になってくるとデイトレ組に交じってかつてのウォーターフロント相場等で憶えのあるベテラン外務員も元気が出てくるというものだが、連想の機転というか引き出しという部分では彼らが長けておりここ数日の商いには久し振りに貢献したのではないか。

しかし、株価の活況を横目に現実問題としては復興需要も加味した人手不足問題が伸し掛る。株の方はここ数日の取り組みで逆日歩組も出てきた事で折に触れ蒸し返しの循環物色は暫く続こうが、その宴が終わった後にはこうした問題と向き合わなければならないのは想像に難くない。


原油高ジワリ

さて本日も株式市場はオリンピック関連の物色が続いているが、そんなテーマ物の陰に隠れながらも外資系や国内証券のレーティングアップが相次ぎ昨日急騰したヤクルトが本日も寄り後に続急騰していた。

この急騰の背景にはヤクルトの価格改定があるが、1日に約340万本を売っているワケだからそのインパクトは大きかった。値上げは実に1991年以来22年ぶりというが、同社としてはその理由として一本あたりの菌数増加等商品価値の向上を挙げているものの、巷で言われているのはやはり原油高に伴う容器の原材料高騰である。

既に飲料メーカーの容器コスト削減策としてはこれまでこの間上場したサントリー食品がペットボトルの軽量化を図り、伊藤園もそれに続いているが、乳酸菌モノは自販機で売られているお茶や水のように厚みを薄くすることが難しくこれでコストは削れないそうだ。22年ぶりの価格改定の背景には一部値上げ回避も限界にきている様が見え隠れする。


時の重要性

本日も日経平均は続伸、個別の値上がり率上位には建設中心に低位株のオンパレードであったが、建設ポストでなくとも一緒になって上がっているものの中にはちょっと前まで継続企業の前提に注記が付いた企業も散見される。

ところで2013年4月〜6月期の財務諸表にこの事業活動の継続にリスクがあると注記した3月期決算の上場企業は28社であり、あのリーマン・ショック後の2009年3月期の三分の一の水準にまで減少していた旨が先月の日経紙に載っていた。

ゴーイングコンサーンといえば東京商工リサーチの発表が恒例であるが、約一年前にこれを取り上げた際に業界大手が筆頭株主でもウカウカしている場合ではないとしたところも業界再編の流れの中で出資が決まったり、本業の赤字続きで危機だったところも昨今の不動産市況の回復で思わぬ固定資産売却益が転がり込んだりと改めて気運の大切さを感じざるを得ない。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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