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五輪ご祝儀

さて先週09/03付けの日経紙「春秋」では飛ばない豚はただの豚との書き出しで、引退を決めた宮崎監督の1992年に公開した映画「虹の豚」を取り上げていたが、週末の金曜ロードSHOWでは同監督引退を受けてこの作品が急遽放映された。

スタジオジブリといえばちょうど1か月前にも「バルス!で一回転」のタイトルで取り上げたようにもう度々取り上げているが、この放映時にはショートで常勝というのがアノマリー。果たしてというか今回も雇用統計を受けた直後に円は急伸し、またもお祭り参加組は労せずに一回転となった格好。

ただ株式の方は2020年五輪が東京に決定したことで本日の日経平均は往って来いの急反発、週末のマドリードやや優勢との報で先駆したオリンピック関連は建設や不動産中心に一斉に急反落となったが、これら一転して本日はストップ高混じえる急騰で先週末が絶好の押し目であった格好になった。

しかし前場に急騰したものを見るにここまで拡大解釈でオリンピックに絡める物色意欲が残っていたのには一寸意外、売買代金も21営業日ぶりに節目の2兆円を上回ることになったが皮算用のこれら関連銘柄の宴が一巡した後が要、各方面への実質的な波及効果がどの程度浸透するか真価が問われるのはこれからである。


廃れゆく定番

さて、昨日の日経紙経済面には「相次ぐ新ファンド」として2012年の1年間で投信が246本増えて、投信のファンド本数が今年2月には初めて4,000本を突破した旨が載っていた。全体の運用残高がそれほど増えないのにこの手の新ファンドが相次いだ結果、1本あたりの運用残高は昨年末で5年前に比べてほぼ半減したという。

この中で短期志向の個人投資家も多く、投信がなかなか長期マネーの受け皿として定着しないとの一文もあったが、自らの短期志向はともかく長年投信といえば回転売買が定番の営業スタイルに君臨していたのは否めないところ。これに加え、仕切り・不抜けが一人前にこなせて初めて前線の仲間入りが許されるというものだった。

一頃のそんなスタイルもさすがに廃れてきたが、直近では金融庁の新指針においてこの回転売買は市場発展になじまないと明記されこの指針に基づき金融機関の商品・販売体制を点検するとしている。今ではコードナンバーと共に、もう上記のような言葉も知らない新人も多くなったと思うが、NISA開始も後押しとなり漸く長期視点に真剣に取り組む片鱗が見えてきたといったところか。


野菜環境

漸くというか夜にかけて秋を感じさせる風も吹くようになってきたが、今年は全国各地を襲った猛暑やら日照不足やらの影響で、中央卸売市場の先月の野菜の平均卸値が前年同期比で20%前後高くなっている模様だ。店頭で見てもたいして程度の良くない品がけっこういい値札で売られているのもやや恒常化してきている。

今年の場合、上記の通りで天候が高騰の原因となっているがもう一つ、ビニールハウスの加温や資材に必要な燃料等も円安や原油高の影響で費用が上昇しているという問題も指摘されている。数年前の冷夏の時もこの複合的な問題が浮上したことがあったが、今後こうした点はますます顕著化する気配も。

スーパーなど逆手に取って値引きセールの光景も見られこんな時こそやはりデリバティブの出番で商機ありとも思うが、一昔前の野菜先物なんぞ今は無くそれを上場させていた東穀取も解散の憂き目に遭っている。取引所もまだ再考の余地ありだがマーケットを考慮するに損保会社等含め新商品の開発余地もあろうか。


楽園の賞味期限

今週の日経紙一面には「Tax ウォーズ」として、激しさを増している国や企業の税をめぐる攻防の様が連載されている。本日は企業の二重課税問題など取り上げていたが、やはり業界的にこれら絡みで思い浮かぶのは昨日マネーの楽園として挙げていたヘッジファンドとその拠点のタックスヘイブンだろうか。

良質な筋はいうまでもないが、英領ケイマンなどこれまで金融事件となった舞台では頻繁にその名が登場する。なんといってもそれこそタックヘイブンで登録も容易に済ますことが出来る簡素さだからこれを利用しない手はない。ちょっとスキルのあるアレンジャーなどは最盛期にはこうした手続きまで代行?しその分のコミッションもほぼ言い値で掠め取っていたものだ。

今や監督局も改革が動き出し、米国のFATCA法も次期適用になるなど最近はいろいろと変更点も出てきたが、これまでキレイなカネから上記のような黒いカネまで魑魅魍魎の資金を誘致してきた地は今なお楽園にかわりはないといったところか。


ファイナンス評価

本日の日経平均はカバーの動きもあって反発、久し振りにノンバンク株など賑わっており、久し振りといえば不動産系のケネディクス等も急反発となっていたが、同社は先週末に4年ぶりの公募とオーバーアロットメントなどでのトータルで発行済株式数の16%程度のファイナンスを発表している。

これまでの例からファイナンスモノは急落パターンと思われたものの、先に新株発行に係る発行登録を決議したこともあり蓋を開けてみれば織込み相場だった模様だ。しかし急反発のこれは極端な例としても、最近では理論上の希薄化率よりも実際の株価が上回って推移するケースがけっこう目立つようになってきた。

先月の例で幾つか挙げてもオリンパス然り、戻りの度合いでみればで大和ハウスもこのパターンに入る。その前の電通は素直に叩かれたがこれは従前の駆け込み増資ラッシュ時にみられたように手元資金をそこそこ有している分その有効活用に疑問符が付いたパターンだろうか。

背景には空売り規制導入も効いているようであるが、上記の通り過去の資金有効活用への不評価から漸くというか成長戦略への評価が少し出始めたといったところか。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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