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新種RIET続々

先週の日経紙投資面には「基礎からのRIET」として、NISAの対称にも入っているREITの基本的な仕組みやポイントが連載されていた。以前にも何度か取り上げたが株式と共に債券等に比べて魅力的な利回りや、小口が利く当の利便性からこうして同紙でも連載が組まれる等注目度も近年高まっている。

このREITに関しては近年多様化が進み今年出たユニークなパターンとして春先に当欄で取り上げた星野リゾートの所謂「旅館REIT」があったが、この時にも末尾で一寸触れたショッピングセンター等を組み入れたイオンのREITが来月後半にもこの手では初の上場となる見込みだ。

ショッピングモールの積極出店や、アジアでの小売シュアを確立するためにも効果的な資金調達が求められこのREIT等はその辺の試金石ともなる存在なのはいうまでもないが、初モノといえば更に来年には老人ホームや病院等介護・医療施設に運用対称を限定したREITも始めて上場する予定。

斯様に政府が創設を解禁することを受けて上記の通りRIETも多様化が加速しているのが現状だが、これに伴いこの分野でも投資家の選択肢が一段と広がってくる事になりそうだ。


運用改革

今週は週明けの日経紙一面に「中間配 5年ぶり最高」との見出しで、上場企業の中間配当額が5年ぶりに過去最高になる見通しとの記事が載っていた。株主配分に前向きな企業が増え、今後は企業が豊富な手元資金を成長投資などへ積極活用してゆくかが課題になるとも書いてあった。

5年ぶり最高ということだがその5年前の某日日経紙一面には、合計金額が前年比23%増加の13兆円と上場企業が株主への利益配分を強化している旨の記事が躍っていたのが思い出されるが、これに絡んではもう一つ週末の同紙記事にGPIF(年金積立管理運用独立行政法人)が2014年度にも上場企業の中から資本を有効に活用し収益力が高い企業を選ぶようにする旨も目に留まった。

この資本有効活用といえばROEだが、先に当欄ではJPXがTOPIXTP並ぶ株価指数にROEを目安に上位数百社を銘柄選択しその時価総額の増減幅を指数化という方針を取り上げたことがある。当然ながらGPIFはTOPIX基準からこの44年ぶりに創設する新指数等の銘柄選定で一部切り替えてゆくことになるが、こうした連携が上手い形でマッチングしてくれば市場環境もまた面白くなってくるだろうか。


スピードを感じる経営と株価

さて、このところ日経平均もなかなかモタついた毎日が続いていたが、本日は3日ぶりに14,000円大台回復となった。これまで指数への高寄与度銘柄がダレてこの辺も影響大であったが、そんな中でも唯一ソフトバンクが気を吐きなんとかこれらのマイナス相殺に一役買っていた格好。

本日はシティの格下げが響いて大幅続落したものの、このソフトバンクといえば直近では時価総額が一時9兆円の大台を超えてあの三菱UFJFGを抜いたのが話題になっていた。これまでほぼ定位置が決まっていた時価総額時上位の第2位にとうとう躍り出ることになりますますの影響力も感じるが、時価総額が9兆円を越えたのは13年ぶりのことでこの時はITバブルがはじける直前で改めて当時の勢力図等が思い出される。

ところで時価総額が名門企業を押えてその上に躍り出たとこれ以外に話題であったのは、5月のガンホー株か。同じエンターテーメント界の雄オリエンタルランドを抜き一時は任天堂さえも抜き去ったが、このガンホーもまたソフトバンク系である。

この離れ業をやってのけたのが連日のストップ高によるものであったが、今回のソフトバンクも約2ヶ月で時価総額を1兆円も増やしており、両者共経営のスピード感がそのまま時価総額増加にリンクしている恰好だ。


箪笥株の行方

さて、先週から幕張メッセでは国内最大の家電・ITの国際見本市「CEATEC JAPAN2013」が開催され、ライフイノベーション部門にはNTTもエントリーしていたが、このNTTといえば先に所在不明の株主47,000人分の株式45万株を来年にも処分すると発表している。 

これに続いて先月末にかけて報道があった企業には川崎汽船の2,550人分にあたる約46万株や、J・フロントリテイリングの株主1,700人分にあたる約29万株を処分という件もあった。更にNTT以前には丸紅や、先々月には京王電鉄が自社株として買い取りを執行している。

まるで換金しに来ない宝クジのような存在だが、たまに見かけるみずほの呼びかけ告知にこんな奇特な人も居るのかと首を傾げて見ていた私も、実際遥か昔に売却した株式が書き換えされないまま端株分の配当通知云々が長年届いていた時期があった。きっと所謂本当のタンス株がいまだに多く存在するということなのだろうが、債務消滅の時効というのもあるので執行後であってももう一度可能性のある向きは確認して損はないだろう。


日進月歩の技と趨勢

ベルギーのアントワープで開催されていた世界体操選手権において週末の種目別決勝では、白井選手が男子床で、亀山選手が男子あん馬で、そしてベテラン内村選手が平行棒でそれぞれ金メダルを獲得する快挙の報があった。

中でも今回は世界で彼しか成功例がなく、特に注目されていた白井選手の金を取った床運動は圧巻であった。金を取る決め手になった今回のF難度「後方伸身宙返り4回ひねり」は既にFIG(国際体操連盟)に新技申請しこれではれて「シライ」と命名されることになったが、あのミュンヘンオリンピックで生まれた「ツカハラ」から約40年、今では若干17歳の高校生が自身の技を国際的に刻む時代になったということか。

実際上記の世界を驚かせたツカハラこと「ムーンサルト」も今では高校レベルでは普通に大会練習等で彼方此方でお目にかかれるし、先のロンドンオリンピックでのオランダのゾンダーランド選手のD難度以上3種の連続技を見るに末恐ろしい感さえ覚えるが、個人的には停留することの無い流れに美しさを見出していたあん馬の近年の倒立系や、ロンダードから入る跳馬等にはやや違和感を覚えるところ。

斯様に体操界も本当に日進月歩を感じざるを得ない。一昔前の体操といえばやはり美しさが要であったが、今や前人未到の大技を繰り出してDスコアを吊り上げてメダルを狙うのが趨勢になってきている感じがする。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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