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先ずはOTC

昨日は新しい指数「JPXインデックス400」を取り上げたが、コモディティーの方でも東京商品取引所が今年度にもLNG(液化天然ガス)を取引する市場を創設する旨の報があった。先ずは石油仲介大手と提携し取引参加者とのOTC市場の運営会社を設立するとのことだが、これをテコに将来的に先物市場でのLNG上場につなげるというものだ。

この石油仲介大手はシンガポールのギンガ・ペトロリアム社だが、同社といえばこれまで
石油製品のeコマース創設を始めTOCOMや取引員と蜜に関わりさまざまなデリバティブ提案をしてきている。eコマース等では中小業者の一部も以前に手掛けた経緯があったが、先を見据え漸くこの辺も広がってきた模様だ。

日本はOTCのデリバティブ市場規模が貧弱で、諸外国に比べはるかに見劣りしているのは否めなく先ずはこの辺が活性化し軌道に乗るかどうかだが、ここ近年の先物市場はお世辞にも活況とはいえないだけにこれらが活性化すればその波及効果も望め、ひいてはアジア市場でも存在感が少しずつ出て来る期待感があるというもの。


JPX日経インデックス400

以前にも触れたことがあったが、先週6日には東京証券取引所、日本取引所グループ、日経新聞社が共同で新しい株価指数「JPX日経インデックス400」を開発したと発表している。同指数の特徴は前にも書いた通り、資本の有効活用に着目した高ROEモノが評価された銘柄群にある。

初回の構成では一部から386銘柄、二部から1銘柄、マザーズから2銘柄、ジャスダックから11銘柄の採用となっていたが、二部以下新興市場からの採用が意外に少なくこの辺は一寸予想外であった。そんな狭き枠?に何とか選ばれた銘柄でさえこの発表直後に業績予想のサプライズな下方修正を出してストップ安で比例配分の憂き目に遭っている銘柄もありまだ玉石混合の感も拭えない。

業績や株価が低迷する銘柄も自動的に運用対象に入ってしまうというTOPIXをベンチマークとする運用手法の疑問からこうした新指数開発に至った訳だが、今までに無いタイプといえどもこんなストップ安までたたかれる企業の他にもブレの大きさが目立つ企業も幾つか散見される。

TOPIXの件を鑑みて、約120兆円の公的年金を運用するGPIFの有識者会議の中間論点整理もより効率的な運用が可能となる指数の利用を検討すべきとし、同指数が例として挙がっているが今後相対的にTOPIXをアウトパフォームしてくるかどうかその構成銘柄と共に注目されるところ。


今年の漢字も「偽」?

昨日記の通り巷では年末商戦が始まっているが、またぞろ出てきたところで最近の食材偽装が百貨店にまで及んでいる。折角の高額消費ムードもこの辺が影響し高額お節などに冷や水を浴びせる恰好にならなければよいがとも思うが、年末に来てこの凄まじい偽装ラッシュの報道で下手をすると毎年恒例の今年の漢字も2007年に続く「偽」になるのではとさえ思ってしまう。

思い起こせば2007年も相次ぐ食偽装に加えて人気テレビ番組の捏造問題も発覚してこの漢字に決まった経緯があるが今年も相次ぐ食の偽装、そして直近でも人気テレビ番組「ほこ×たて」の捏造、また今週はBSフジの番組でも捏造が発覚し双方共に番組が打ち切りになっている。上記の問題を起こし6年経っても尚変わらない企業体質を改めて露呈してしまっているが、同時に当時と全く同じ構図で歴史は繰り返すと実感する。
 
しかしこの一連の問題、詰まるところはそこに対する元々の信頼性がどの程度あったかという問題ということになろうか。例えば偽物コピー天国の国でこれと同様の食偽装やテレビ番組捏造があったとしても、それ自体が普遍化し元から信頼性自体が存在しないワケだから取り立てて騒ぎにもならないだろうし謝罪も無いだろう。

日本はそういった部分がいわば一つのブランドにまでなった故にここまで騒ぎになるのだが、こんな調子でそのブランド化した世界に誇れる信頼感が毀損されてゆくのであればこれは由々しき問題で手遅れになる前にいい加減各所はこの辺で襟を正さなければなるまい。


ちょい高

さて今週あたりからDMやら何やらで百貨店などからお歳暮やらお節等々の案内が舞い込むのを見るに、はやそんな商戦がスタートする時期だなと実感する。ところで今年の百貨店勢はアベノミクス効果に期待して商戦のキーワードの一つが「ちょい高」だとか。

それにしても今年は「ちょい高」どころか彼方此方で従来の数段上をゆく高額品が目立つ。先月の日経紙でも19万円近くのベビーベッドやスーパーでさえ7万円以上のランドセルを売り出した等も載っていたが、他に東京ディズニーリゾートでも30周年記念ということで200万円を軽く越えるフランクミューラーと組んだ時計を発売するなど景気がいい。

冒頭の百貨店勢も松坂屋などはこれが顕著で、先月は20万円の「ガチャガチャ」を登場させたり、お節でも今年は70万円以上の品を用意するなど強気の姿勢が目立つ。斯様に長く続いたデフレの出口に向かって経済が走り始めたのか否か、次期消費税増税を挟みその行方が注目されるところ。


復活の芽はあるのか?

このところ不透明感漂う金相場だが、直近の貿易統計では4〜9月の輸出量は約53.2トンと前年同期の2倍に達していることが明らかになっている。輸出から輸入を引いた流出量も約37.3トンと前年同期比2.1倍となっており、金相場が過去最高値を付けた2011年に迫る勢いというところだ。

ETF等と共に新興国の旺盛な引き合いに対しての出し手という構図は毎度馴染みだが、金相場といえば先週末の日経紙マーケット商品面には「海外、オプション取引拡大」として、ニューヨークマーカンタイル取引所のオプション建玉が先月末時点で161万枚と1年で約2割増えるなど、金相場の先行不透明感が漂う中を同取引が拡大している旨も載っていた。

これに対し先物建玉は1割ほど減少してきているといい、成る程オプションが賑うのも自然なところだが、その辺を横目に東京商品取引所を見ると長年放置状態になっているオプション市場の荒涼感が一際目立つ。

今や他のマーケットよろしく投資家比率においては外人勢が牽引する恰好となっているが、この辺からの圧力で本邦も漸く重い腰を上げ今後この辺を見直そうという動きは出てくるのか否か?これまた啓蒙、システム問題等々絡め課題が山積みである。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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