税制五里霧中
さて、先週各紙で報道されているように自民、公明両党が2014年度の税制改正大綱を纏めているが、果たしてというか来年4月の消費税増税の影響を和らげる負担減と、その財源を賄う負担増とが混在する内容になった。
他の税目の増税とはいうものの、そもそも消費税増税に向けての下地作りが始まった頃から言っているように悪の巣窟はやはり歳出である。前政権でも事業仕分けを引き合いにこの歳出抑制を強調したものの、水面下での無駄遣いの酷さは震災後次々と明るみに出たところで記憶に新しい。
加えて今回も法人税率の抜本的な見直しに踏み込んでおらず、また個人の投資関係にしても何処が便利なのか解らないNISAのチマチマした小手先修正でお茶を濁し、損益通算の範囲一つを取ってみても投資家が長年望んでいる基本的なものはまたも見送りである。
現状としては二極化が進んでおり消費税増税の影響にしても、前回を引き合いにして数ヶ月で消費が元に戻るという楽観論も一部喧伝されているが個人消費はGDPの半数以上を占めるだけにこれが落ち込んだ場合その影響は想像以上のものになる。辻褄合せに辟易しより大局的な包括戦略が今後もまた要求されることになろうか。