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営業変遷

本日は厚生省が若者を使い捨てにする所謂「ブラック企業」の疑いがある事業所について集中立ち入り調査した結果を発表し、この中で売り上げノルマを達成出来なかったことを理由に基本給カットする制度を設けていた例などケース別事例も発表されていたが、ノルマといえば先週末にも野村證券の職場で、営業目標が達成できない場合は所有車を売却するよう等のパワハラを受け退職を余儀なくされた元社員の訴訟で会社側に損害賠償命令が出たとの報道もあった。

さすが?ノルマ証券といわれかつて記章から揶揄されたヘトヘト証券ともいわれただけの名残はまだ残っていたという感じだが、この賠償命令も注意・指導のための言動として許容される限度を逸脱したとの判断といいこれは至極まともな見解に間違いないものの、一昔前の世代だったらこんな光景は野村でなくとも何処でも普通に眼にする日常だったろう。

営業といえば海外でも「ノックお断り」のドア張り紙を無視して飛び込み営業をやったガス会社と営業担当の雇用元企業が、連邦裁判所から罰金支払いを命じられたニュースが先週にもあったが、これとて昔の営業だったら先ずこういった張り紙のところこそ商機ありとして逆にこういったところを選んで飛び込みしたものだ。

そうそう、かつて飛び込みといえば一日中飛び込み営業しても成果があがらず、夜も更ける頃支店に「もう飛び込むところがありません。」と報告した営業に「電車が入ってくる線路があるだろうが。」と応えていた支店長が居たが、こんな輩もいつしかにわかアナリストに鞍替えし借りてきた猫のような顔でしばらく付け焼刃の相場解説などやっていた時期もあったなと。

ともあれここ数十年の間に営業系の構図も様変わりで、浄化なのかどうかまあ世の中そういう時代になりつつあるということなのだろう。


税制五里霧中

さて、先週各紙で報道されているように自民、公明両党が2014年度の税制改正大綱を纏めているが、果たしてというか来年4月の消費税増税の影響を和らげる負担減と、その財源を賄う負担増とが混在する内容になった。

他の税目の増税とはいうものの、そもそも消費税増税に向けての下地作りが始まった頃から言っているように悪の巣窟はやはり歳出である。前政権でも事業仕分けを引き合いにこの歳出抑制を強調したものの、水面下での無駄遣いの酷さは震災後次々と明るみに出たところで記憶に新しい。

加えて今回も法人税率の抜本的な見直しに踏み込んでおらず、また個人の投資関係にしても何処が便利なのか解らないNISAのチマチマした小手先修正でお茶を濁し、損益通算の範囲一つを取ってみても投資家が長年望んでいる基本的なものはまたも見送りである。

現状としては二極化が進んでおり消費税増税の影響にしても、前回を引き合いにして数ヶ月で消費が元に戻るという楽観論も一部喧伝されているが個人消費はGDPの半数以上を占めるだけにこれが落ち込んだ場合その影響は想像以上のものになる。辻褄合せに辟易しより大局的な包括戦略が今後もまた要求されることになろうか。


ネット系鉄火場

さて、昨日の日経紙には「ネット関連株、売買上位に」として、株式市場でここ直近の売買代金上位の多くを新興市場のネット関連やゲーム関連の株が占めている旨が載っていた。成る程TOPIXがいまだ5月高値を抜く事が出来ないのに見られるように、主力の商いが細るなか年末特有の短期資金がこれらのポストに集中している。

この辺のど真ん中銘柄で先月末から一際目立っているのがやはりミクシィか。先月末から実に10日連続ストップ高の離れ業をやったあと、一転して昨日から今度は比例配分のストップ安で本日も大量の売り物を残して終っている。一発で時価総額が200億円以上も変動する凄さで、直近高値が寄らずのストップ高比例配分だから個人もこれで約定してしまった向きと不出来だった向きとでは明暗どころの騒ぎではないだろう。

今年前半戦で歴史に残る大相場を演じたあのガンホーの再来に期待して欲の塊が集結した相場だったが、ガンホー相場の時はガンホー本体に付けなくともETFのJASDAQ-TOP20で代用が利いたりしたものの、一方で肝心な急落場面においては各社規制もあってショートでエントリー出来なかった経緯もあった。

マザーズであればマザーズ・コア等があるが、ショートも不足分など品貸し料吊り上げで調整し規制緩和でもう少し開放させたほうが何かと使い勝手がよく面白い相場になると思う。短期の鉄火場のイメージとはいえ同紙には中長期資金も流入の兆しとも出ておりポスト別のETFも今後はますます重要性が増して来ることになろうか。


食料への回帰

さて、ドラッグストアで整然と並べられたスナック菓子を見てちょうど1週間ほど前に、カルビーのトウモロコシスナック菓子にパッケージに表示のない落花生を含む成分が混入していたとして自主回収する旨の報道があったのを思い出した。たしか昨年の今頃もココはガラス片が混入していたとかで回収騒ぎがあったと思うが改めて管理体制が問われそうだ。

さてそれは兎も角としてトウモロコシといえば、米国ではトウモロコシで作る燃料用エタノールの使用義務量の削減案を発表している。シェールオイル増産で米石油輸入依存率が大幅に低下、依存率低減を目指したガソリン混合用エタノール増産の必要性も薄れ、また車の燃費も近年著しい向上を見せていることにも起因する。

正式に決定となれば需要減としては日本の年間輸入量近くになるというから可也のもの。また併せて健康に悪影響を及ぼすと判断した一部大豆油の使用禁止も検討しているといい、この政策で近年の供給懸念を囃していた構図が一気に沈静化する可能性も出てきた。これで漸く食料への位置付けに回帰するかどうか暫く動向を注視しておきたい。


オーバーイシューか否か

先週末の日経紙には「社債発行1日で3,250億円」として、国内市場での社債発行が活況で6日には1日としては異例の22本、3,250億円の発行条件が決まった旨が載っていた。斯様な足元の増資ラッシュもあって直近3ヶ月では総発行済株式数が年率17%増、先月末の東証一部の企業のそれは過去最高水準という。

一昔前に株高を背景にしたファイナンスラッシュとなったのが思い出されるような光景だが、確かに今は地合いがいいのでホルダー以外はあまり気付かないものの時折急落しているようなものはだいたいがこのファイナンスものである。

もっとも最近は高島屋や凸版印刷のようなCB型やら、本日の日経紙財務面で出ていたハナテンのように保有する金庫株を使った新株予約券ファイナンスなど株式数を増加させないように配慮した調達方法を取る企業もありこの辺は一寸環境が変わってきているが、有効活用出来るかどうかという部分が先行きの株価を左右する点は変わりがない。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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