立法不備
今週の日経紙経済面で見かけたものに「監視委、88銘柄で疑い」として、証券取引等監視委員会が日本企業2社の株価を吊り上げるなどの行為で不正利益を得たとして海外ファンドのセレクト・バンテイジに課徴金納付命令を出すよう金融庁に勧告した件があった。
今回のは所謂「見せ玉」行為が咎められており、昨年昨年40億円越の納付命令が出たAPFがやった2社を舞台にした偽計や架空増資等の手が込んだモノと比較するに原始的なものだが、このほか86銘柄の株式についても相場操縦の疑いがあるとしている。ところで今回挙げられた課徴金は僅かに6万円、不正利益に比べれば微々たるものである。
この金商法では海外にいる業者や人物が不正取引した場合、刑事告発が難しく課徴金制度を使ったとしているが上記のAPFなどこのパターン、またファンドに限らず2年前のイー・アクセス社の元役員秘書によるインサイダー事件でも算定された追徴金では倍近くの差益が残る計算となり何処もヤリ得感が満載な結末となっている。
この辺は今やHFTが主流になり監視委としても手薄な中での事実認定に手間取ることに加えて、インサイダー等についてもつまるところ立法の不備に因るところが大きい。前々から一般との不公平感も一部指摘されておりこうした不満分子が悪知恵をつける前に早急なカバーが求められよう。