テコ入れ
さて昨日の日経紙商品面には「東商取、石油市場テコ入れ」として、石油市場を対象に原油や石油製品など商品間のサヤ取り取引を24日から始める旨が載っていた。商品や限月を組み合わせることで42種類の売買が可能で、「スタンダード・コンビネーション注文」なる名称という。
この所謂クラックスプレッド取引は既に原油上場以降から盛んにされていた取引で、新取引といってもいまさら感がけっこう強いが、株式やFXにアレルギーの強い向きでもこれはお家芸とばかりに当業勢や石油大手の社員のなかには口座を開設しせっせとこの取引に精を出しそれなりの小遣いを稼いできた向きも多い。
ただピークだった頃に比べれば昨今のリクイディティー低下が顕著になっていると感じるのは何もディーラー勢に限った事ではなく、建ちも外しも限月によっては一苦労を感じる部分や、SPAN証拠金の如く保有ポジション状況からから想定されるリスクを勘案して証拠金相殺される部分など新取引も商機ありか。
当面は法人向けということだが、この東商取は原油先物においてもUAEのDME(ドバイ・マーカンタイル取引所)と連携し、商社や金融機関など両方の取引所で取引すれば手数料を割り引く制度や残高移管できる制度の創設を表明するなど先ずは主力層への働きかけが積極化しつつある。