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テコ入れ

さて昨日の日経紙商品面には「東商取、石油市場テコ入れ」として、石油市場を対象に原油や石油製品など商品間のサヤ取り取引を24日から始める旨が載っていた。商品や限月を組み合わせることで42種類の売買が可能で、「スタンダード・コンビネーション注文」なる名称という。

この所謂クラックスプレッド取引は既に原油上場以降から盛んにされていた取引で、新取引といってもいまさら感がけっこう強いが、株式やFXにアレルギーの強い向きでもこれはお家芸とばかりに当業勢や石油大手の社員のなかには口座を開設しせっせとこの取引に精を出しそれなりの小遣いを稼いできた向きも多い。

ただピークだった頃に比べれば昨今のリクイディティー低下が顕著になっていると感じるのは何もディーラー勢に限った事ではなく、建ちも外しも限月によっては一苦労を感じる部分や、SPAN証拠金の如く保有ポジション状況からから想定されるリスクを勘案して証拠金相殺される部分など新取引も商機ありか。

当面は法人向けということだが、この東商取は原油先物においてもUAEのDME(ドバイ・マーカンタイル取引所)と連携し、商社や金融機関など両方の取引所で取引すれば手数料を割り引く制度や残高移管できる制度の創設を表明するなど先ずは主力層への働きかけが積極化しつつある。


今年はギリギリ

本日は関東地方で春一番が吹いた。ご存じ立春から春分までの間に吹く強い南風を所謂春一番としているが、昨年は1日に観測されていただけに今年は一昨年のように観測されないのかとの予測も一部にあったが、あと数日を残すところでギリギリの春一番であった。

この春一番、感覚的にはだいたいバレンタインデー前後に吹くことが多いという憶えで、ここ最近同じような強風の日が多く何度かこれかなと思ったことが度々あったが、バレンンタインどころか今年は更にホワイトデーをも過ぎて昨年より17日も遅い登場となった。

こんな発表で四季の節目を感じるところだが、近年は異常気象が各所で見られその影響からか彼方此方で季節感のない光景を目にする機会がぐんと増えてきた。これにより毎年各種仕入れの目論みが大きく狂う場面も併せて増えているが、天候デリバティブなどその重要性が高まると同時にまた商機でもあるだろう。


時価総額と誘致力

週明けの本日も4日続落と引き続き軟調ムードの株式市場であったが、そんな中でも朝方から一際気を吐いていたのはソフトバンクだった。既に報じられている通り、出資している中国のネット通販最大手アリババが米国でのIPO手続きを開始したとの報が3兆円超ともいわれる含み益の思惑を誘った格好である。

このアリババ、当初香港での上場を準備していたが所謂パートナー制に取引所側のケチがつき矛先を今回米国に変えた経緯がある。この辺は香港と違って米市場ではこんな議決権に差のある種類株を持つ企業が幾つも上場しており、同社を巡る争奪戦が激しくなっていた旨が日経紙にも載っていた。

取引所の争奪戦といえばちょうど本日の日経紙特集では「マネー争奪 NY証取が独走」として、時価総額が東京証券取引所の4倍もある最も大きなニューヨーク証取が一際目立つ図も出ていた。しかしこうして並べて見てみると、それぞれこの数年の間に統合・身売り・買収が進みまた合併や敵対的買収を試みるも司法やら国の壁から断念したパターンがそれぞれ記憶に新しい。水面下の動きと併せ今後も折に触れ再編劇は表面化するだろが、さて次は何処の名が挙がるだろうか。


いろいろ見つかる

さて、ちょうど一週間前の日経紙春秋の文中には66年前から行方不明であった喜多川歌麿の肉筆画「深川の雪」が国内で見つかった旨が出ていたが、同作といえば「吉原の花」、「品川の月」等と共に「雪月花」三部作の一つとして知られる大作であるからこれは朗報である。

しかし今年に入ってから行方知らずであった貴重な品の発見の報が多い。これ以外にも昨年末には明治時代に極東一の豪華ホテルとうたわれた「長崎ホテル」の1,600点もの金銀食器が奈良ホテルで見つかったほか、滋賀県では旧豪商四居家の土蔵から85点もの慶長小判や正徳小判等が纏まって発見された報があった。

「深川の雪」は古美術商も営む美術館の副館長が2年ほど前に発見したというが、金銀食器は倉庫から、そして江戸時代の小判は土蔵の桐箪笥などひょんなところから見つかっておりまだまだ眠っているお宝はありそうな気配だ。

そういえば日本ではないが、先月には米カリフォルニア州ゴールドカントリーに住む夫婦が私有地で犬の散歩中に約1,000万ドル以上相当の1800年代半ばから後半に鋳造された約1,400枚の金貨を発見している。なんともゴールドカントリーの名にちなんだ話であるが、現代に解放された品々の背景を探るにそれぞれの秘話も興味深いものがある。


税制が鍵

本日の日経紙夕刊FXウォッチには「大証FX10月に休止」として、取引所FXの税制面での優位性がなくなったこともあって今年10月にこの大証FXを休止にする旨が出ていた。この辺は年明けにも既に触れているが、取引所FXとして東京金融取引所「くりっく365」に次ぐ2番目として最初に当欄で取り上げたのは2009年7月のことであった。

他とは違って板表示などユニ−クな点もあって他投資家層も馴染み易いかとも思われたが、果たして5年は早いか遅いかあれから環境も変わり当初の目論み相違の部分も多かっただろう。今回の休止理由には成長分野ではないとの見解も出ていたが、金融庁の取引所デリバティブ損益通算拡大範囲構想も睨んでの仕切り直しとの見方も一方である。

今回の休止に至った主因が申告分離課税の範囲拡大なら、総合取引所のデリバティブ取引の損益通算案もまた復活のカギとなるのかどうか、税制を巡る各所の思惑にはまだまだ要注目である。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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