隠蔽で拡大

さて、本日の日経紙社会面には「14厚生基金で106億円損失」として、投資運用会社プラザアセットマネジメントなるところが運用していた2つのファンドの資産価値がゼロになった結果、少なくとも14の厚生年金基金で多額の損失が発生、2008年以降資金繰りの悪化を説明せずに新たな勧誘を続けていたという件が載っていた。

既にココは昨年に金融庁から業務改善命令が出て多額損失が喧伝されていたが、上記の資産価値がなくなってしまった2つのファンドは米国の生保を売買対象とする投資商品で、これは当欄では2年前に一度「〜契約も解約より換金率が高いことから契約者との成約もし易く、その契約者の生死で運用利回りが決まるので外的なファンダメンタルズとの相関性がほとんど無いというのがウリ〜」と取り上げた事があったのを思い出す。

年金に絡んだこの手の事件では一昨年のAIJ投資顧問の年金消失発覚が記憶に新しいがココは同社の投資先の一つ。資金繰り悪化を隠蔽して新たな勧誘継続というのは以前の安愚楽牧場事件もあったが、年金モノの場合はトップの裁量というのもあり信託の問題性とも絡めてまた議論が再燃しそうだ。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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