プレーヤー交代
さて、昨日の日経紙商品面には「パラジウムが高値」と題して、ウクライナ情勢緊張を背景にして主産地ロシアからの供給不安が根強くなっている貴金属のパラジウムが、ニューヨーク先物市場で2001年2月以来の900ドル台乗せ、東京市場でも13年5か月ぶりの高値を付けた旨が載っていた。
このパラジウムだが、先にロンドン市場では金・銀に続いてプラチナと共に国際指標価格の算出方法が見直される事が決まっている。この辺に関しては先週末の日経紙社説で「商品市場は銀行撤退に対応を」と題し、この見直しの主因となった欧米金融大手の撤退云々が挙げられており、現況の地政学リスクの高まりによる各種商品相場の変動が憂慮される旨も載っていた。
地政学リスクといえば上記のメタル以外にも原油などがあるが、この原油も相次ぐ投資銀行やヘッジファンドの撤退で、足元で地政学リスクが高まっているにも関わらず指標のブレントとWTIの合計売買高が前年同期比で1割減りリクディティーの低下が最近では著しくなってきているという。
斯様に大手金融機関の存在感が薄れる一方で、これに変って資源商社や新興国などの新たなプレーヤーの存在も台頭している一部報道がある。大手金融に比べた規制の緩さがどのように影響するのか、またヘッジなど彼らが抜けた後の穴を埋められるのかどうかこの辺は今後も注目である。