PKOと言われぬ為に

本日の日経紙社説には「公的年金運用の信頼高める改革を急げ」と題して、政府が公的年金の運用を現在の国債中心の運用から株式等の価格変動の大きい資産へ比率を上げる改革を進めようとしている旨が出ていた。

この辺は先週末にかけての日経平均大幅続落の翌日にタイミングよく同紙の一面にも「公的年金12%から引き上げ調整」と出ていたが、ここに書いてあったように仮に運用比率目安を20%台半ばまで高めるとなれば単純計算で8兆円の株買い需要が発生、また上限まで活用すれば国内株を最大30%程度保有する事となる。

GPIFも面子刷新で斯様に機運がまさに高まったといえようが、ここの動きが魑魅魍魎のマーケット参加者に利用された場合投資家間でも優劣が生じるアンフェアな事態も想定される。また上記のようにGPIFが大株主になり得る事は、何度か取り上げた日本版スチュワードシップ・コードと絡めて矛盾する部分もある。

社説の末尾には公的年金で株価維持という不健全な印象をもたれる事は避けたいとの一文もあったが、情報開示の扱いの難しさはあるものの一昔のPKOを彷彿させないような透明性のある改革が求められようか。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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