実質還流
本日の日経紙投資情報面には「キャノン、金庫株3割へ」と題して、潤沢な手元資金をもとに自社株買いを続け、2020年をメドに発行済み株式に占める自社株(金庫株)の比率を現在の18%から30%まで引き上げROE(自己資本利益率)など資本効率の改善を狙うキャノンの例が載っていた。
同社のような自社株買いに増配というパターンを見ていていつも連想するのが米のコカコーラなのだが、NISAに好まれそうな一般ウケする高配当を出しつつもこうした金庫株から実質は手元資金が還流してくることになり、これがまた増配などの原資になっている背景というカラクリがある。
そんなワケで昨年末にも一寸触れたように実に26年間もの間増配を続けているというのは主力の他社には見られない現象で一際異彩を放つ。高ROEといえば最近ではこの手に買い疲れが出て同業種の別銘柄への乗り換えが進んでいる模様も一部指摘されてはいるが、金庫株を使った経営政策は今後もさまざまな角度から検討されてこようか。