伝統的モデルからの移行

本日は日本取引所グループがCEOである斉藤氏が退任し、東京証券取引所の清田社長が次期CEOに昇格する人事を指名委員会で内定した旨を発表している。月末の取締役会で決定し6月の株主総会を経て就任というスケジュールだが同取引所の発足から2年余り、アジアの中核的市場構築を進める狙い。

アジア中核的市場構築という事だが現状で時価総額は昨年半ばで世界7位、同じアジアでは香港取引所が世界2位である。また昨年の現物株売買代金は世界6位で同じアジアの上海や深圳の中国主要取引所を下回っているのが現状。関係強化も視野に入れつつ海外マネー誘致もキーになってくるが、これに先駆け同氏は出遅れたデリバティブ分野の強化を急ぐのが課題という。

確かに欧州等を見ても上記時価総額で世界第4位だったドイツ取引所は、傘下に擁するデリバティブ部門の売上高全体に占める割合は4割に達し、現物株の売り上げは1割に満たないなどデリバティブで先行している。新CEOの経歴は大和で伝説の債券トレーダーだったという事だが、マーケットの精通者としてどうマネージメントしてゆくのかその手腕が注目される。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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