如何に持ってもらうか

さて、一昨日の日経夕刊一面では「個人投資家と対話拡大」と題して、有力企業が「対話拡大」などIRの強化に動き自社の株を長く持ってくれる個人を増やし株価の下支えを狙う動きが出てきた旨が載っていた。

この自社の株を長く持ってくれる個人という絡みでは、先週の同紙にて2014年度の株式平均保有期間が8.9ヶ月と前の年度比で3.3ヶ月長くなった旨も出ていたが、14年にNISAが始まったうえ日本企業が増配など株主還元を強め長期投資が報われやすくなってきたためとの指摘もされている。

振り返ってみれば個人の株式保有期間はリーマン・ショックの年まで長期間傾向にあったものだが、この事件以降は「羹に懲りて膾を吹く」の風潮から回転も速くなった事でこれを境にして年を追う毎に短期化が続いていた。この間に企業側も増配など株主増を図る動きを模索していた事が昨今具現化してきた策などから窺える。

こんな機運が背景にあるのかどうか、期末の権利付き最終売買前には先物ショートに現物ロングを組みその後の解消で配当部分を狙う取引も最近では増えてきたという。権利を確保し6月の株主総会に向けての増配思惑が実るかどうか待つといったところだが、今後はキャピタルゲインをもカバーする魅力的な保有特典をどう打ち出せるかこの辺が課題になってきそうだ。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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