PGM爬行色
本日の日経紙商品面では「パラジウム1割高」と題して、パラジウムのニューヨーク先物価格が直近安値の3月下旬と比べて1割高くなり2ヶ月ぶりの高値を付けてきている旨が載っていた。1日公表の米新車販売台数が4月としては10年ぶりの高水準となった事でガソリン車向けの需要増加を見込んで買われたもの。
パラジウムに関してはつい最近まで生産国である南アのスト終結やら同国通貨のランド安を追い風に供給が順調に進んでいる上に、米国の利上げ観測も燻っている事を背景に軟調相場が長引くという観測が一般的であったものだがやはり先は読み辛い。通貨に絡んでの現地の減産棚上げやもう一つの生産国ロシアの動向もあり様々な角度から推測が要求される。
一方で同じPGM系でもディーゼル車に多く使われるプラチナは消費の中心である欧州景気の先行き不透明感から買い手控えられて年初比で5%安い現状。こちらも低迷長期化が言われ長らく金に対して下鞘久しいが斯様に同族でも爬行色が出てきた。株式市場でもこの辺が顕著になってくるのかどうか併せて注視しておきたいところだ。