ゴースト株主?
さて、昨日の日経平均は638.95円と急反落し約3週間ぶりに2万円の大台をあっさり割り込んだが、本日も引き続き前場に続急落のあと急速に切り返し終わってみれば高値引けとなるなど久し振りにボラタイルな展開になった。そんなここ2日のジェットコースター相場で日銀は昨日も本日も粛々と324億円ずつETFを買い入れていたが、年間買い入れ予定額をやや上回るペースの推移となっている。
そんな訳で今年上期の購入額は昨年下期の既に約2倍となっており、今や日銀は首位の外国人に次ぐ買い手になっている。このETF買いでは当然その構造上個別も買われることになるが、寄与度ナンバーワンともいわれているファーストリテイリングなど上記の年間買い入れ予定額満額の計算で日銀は2.8%の保有、これまでの買い入れ規模ベースでは約5%に上るという。
今月上旬に同紙の投資情報欄で連載していた「ニッポンの株主」では保有額の大きな個人株主としてファーストリテイリングの会長がソフトバンクに次ぐ2位で21.7%と出ていたが、これを勘案すれば見えない株主としてはその存在感というか影響力は可也のものになるだろう。
この辺に絡んで、既に当欄では5月に「吸い上げ副作用」と題して変動率の上昇が顕著になりリクイディティー低下が言われ始めた同じ高寄与度銘柄のファナックを挙げたことがあったが、高寄与度双璧の吸い上げは何所まで継続されるのか?何れ日銀もイグジットを探る時が来ることになろうが、その時の減額や売却がどの程度市場の波乱要因になるのかこの辺の未知数な部分こそタイトルのゴーストの如くか。