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STAPを彷彿

さて、2020年の東京オリンピックがめでたく決まったものの、擦った揉んだの末にザハ氏による新国立競技場のデザインを白紙に戻すなど当局のお粗末報道が収まらぬなか、今度はオリンピック・パラリンピックの公式エンブレムに関して模倣疑惑が表面化し渦中のデザイナーに関するニュースが連日にわたって報道されている。

もともとこれはベルギーの国立劇場ロゴの図案そっくりだという指摘から始まったものだが、これに対して記者会見で反論した傍から直近では国内でもサントリーのキャンペーン賞品であるトートバッグの一部のこれまたパクリが表面化し一部認めた事で取り下げから発送中止に追い込まれている。

ところでこんな一連の報道を見ていると思い出すのが、あの理研のSTAP細胞事件か。あの時も当初は論文の捏造が小さく報道されるにとどまっていたものだったが、彼方此方から検証結果が持ち寄られ拡散しあっという間に大事件に発展してしまった経緯がある。ネットが発達している現代は削除履歴始めとし彼方此方から膨大な証拠?が集められこれだけ見せられたらもう逃げられないだろうという気にさえなってくるから怖い。

しかし、これまで大手がバックに控え実績があるとはいえパクリがいわれているものがグッドデザイン賞を受賞したり、今回のオリンピックもまた然りで巨額の金が動くのは想像に難くはない。デザインに対しての考え方が全く違い意志が揺らぐことはないと会見では話していたが、常識的には最後はモラルの問題だろう。


建設ポスト

本日の日経紙投資情報面には、大成建設の時価総額が昨日に一時1兆円の大台に乗った旨が載っていた。上旬に発表した4-6期決算が大幅増益だったのを好感し、以降連日で年初来高値を更新している事に因るものだが、この1兆円超えは1991年6月以来、約24年ぶりの事でゼネコン株全体でも1兆円を超えるのは96年10月の鹿島以来の事という。

建設ポストの地味さから新興市場などのゲーム関連があっという間に東証の老舗企業の時価総額を抜いて大化けする光景と比較するにやや趣を異にするが、個別では下克上の外食産業などでマクドナルドが再上場したすかいらーくに約8年8ヶ月ぶりに抜かれたりと個別では時価総額も浮沈が激しい。

ともあれこんな個別の飛躍もあってか時価総額も1989年12月のバブル期水準の590兆9,087億円を約25年ぶりに上回ってきたが、以前にも書いたようにどうもこうバブル期にあった高揚感が湧いてこない。次々と各種コードが導入の運びとなり、意識改革が進んでいるものの草食っぽい流れでやはりバブル期相応の高揚感が懐かしく感じる。


運用会社新形態

本日の日経紙・一目均衡には「運用会社のガバナンス」と題し昨年来、運用会社は投資家の為の経営をしているのか等と金融庁などを中心に運用会社のガバナンスを問う声が強まり、一部大手が社外取締役を選任するなど業界もそれに呼応する動きが出始めている旨が載っていた。

この辺に絡んでは同じ日経紙の大機小機にも今月上旬に「投信運用会社VS販売会社」と題し、日本の投信残高が100兆円大台を超えるなど利用者層が広がり存在感も増すなどする中で、投信先進国米国とは投信会社と販売会社の立ち位置の違いがある旨を書くなどほぼ同じ内容のものがあったと思い出す。

こうした疑問から先に書いたように新手の運用会社も増殖しつつあるものの、ガバナンスに重きの風潮が近年高まりこうした論議が出てくる背景には、どれもこれも多くの運用会社が親の系列という特異な構図の下で成り立ちその意を汲むようなプロデュースが彼処に為されている事に起因する部分が大きいワケでそうした部分の偏見が無くなる日が望まれるところ。


各種低迷の影響

さて先週末の日経紙夕刊一面を飾っていたようにまたぞろ原油価格が安値更新してきている。13日には一時1バレル41ドル台まで下落し約6年5ヶ月ぶりの安値をつけてきているが、中国景気の減速よる世界的需要減への不安に加え米シェールオイルの高水準の生産やイランからの輸出拡大観測など供給面での材料も積みとなっている。

以前にも記したように原油以外の商品にも下げが広がっており、貴金属など金の国際価格が5年5ヶ月ぶりの安値水準に沈み、またプラチナも6年半ぶりの安値水準に沈んでいる。その金に比べた上鞘のイメージから国内ではプラチナが思わぬ人気を喚起し田中貴金属工業では7月の販売量が前年同月の32倍以上、石福金属興業では同月間平均の3倍が売れるなどしている。

とはいえこんなバーゲンハントの裏でマクロでみれば既に採算割れの深刻な状況から鉱山では大幅なリストラが進行し、上記の原油安では米でもエネルギー関連の社債の一角が崩落しているという。シェール革命の波に乗って大量発行が相次いだ社債市場の咎めで、デフォルト懸念が出ると金融市場を一気に冷さす可能性を秘めておりこの辺は新たな懸念材料でもある。


今年で見納め?

さて、先週末は隅田川花火大会に続いて東京三大花火大会の一つでもある「東京湾大華火祭り」が開催された。この三大花火大会が終わると直ぐにお盆休みモードとなってくるが、昨年はゲリラ豪雨による一昨年の隅田川中止に続いて台風の影響でこの東京湾も中止に追い込まれてしまったのが記憶に新しい。

というワケで今年はそんな鬱憤を晴らすような素晴らしいオープニングからのスタートとなったが、六部に分かれたそれぞれで隅田川では出来ない400メートルの花を咲かせる尺五寸玉が盛り込まれ、また「スライド牡丹」など発色技術と併せ今年もこれまで観た事のないような変わり種が数多く披露された。

ところで昨年も囁かれていた話だが、来る東京オリンピックの選手村を設営する工事着工の影響から会場確保が難しくなる事が予測され、この東京湾大華火祭りは今年を最後に休止してしまうとの話が出ている。30年近く続いてきた風物詩というのもあるが、花火大会は何処もその経済効果もばかにはならない規模だけになんとか関係各所の働き掛けに期待したいものだ。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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