巨鯨同時上場
本日は周知の通り東京証券取引所に、日本郵政・ゆうちょ銀行・かんぽ生命保険の郵政グループ3社が上場のはこびになった。注目の初値は日本郵政が1,631円と売出価格より16.5%高、ゆうちょ銀行は1,680円と同15.9%高、そして最後に値が付いたかんぽ生命は同33.1%高と下馬評通り何れも好スタートとなった。
ブックビルディングから高配当に加えて低PBRという事もあり売り出し価格は何れも仮条件の上限で決まっていたが、ストップ高まで買われて引けるなど最もパフォーマンスが良かったかんぽ生命など需給関係がそのまま表れた格好か。そんな訳でこれら初値で計算した3社時価総額は16兆6,000億円強と、1987年に上場したあのNTTに次ぐ規模となった。
売買代金も全市場でETFを除き3社で1〜3位を独占、3社合計で約6,204億円と東証一部全体の約2割を占めることになりこのあおりで新興市場など資金流出著しく個別株はもう用無しの如くボロボロに売られるハメになったが、その構造上急激な成長シナリオは見えにくい構図で、グロースというよりはバリュー系で長期投資マネ―をどれだけ呼び込み貯蓄から投資の起爆剤になるかどうかが課題か。
ともあれ郵政民営化を掲げた小泉改革から10年を経て漸く郵政株の売却が始まり、民営化プロセスは最終段階に入ることになる。