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賛否両論紆余曲折

週明けの日経平均は下げ止まらない原油を嫌気した世界的な株安を受けてザラバでは600円以上もの大幅続落となり、安値からは戻りを入たものの11月4日以来約1か月半ぶりに引けで19,000円大台を割り込んでいる。

さて先週から連日の株安が続くと気になって来るのが先にGPIFが2015年7〜9月期の運用損益が7兆8,899億円の赤字に転落したとの発表か。赤字は6四半期ぶりで四半期の赤字額としては過去最大となったが、GPIFに絡んでは先週に厚労省が株式に直接投資する事を解禁する検討に入った旨を報じている。

来年1月にも報告書を纏め早ければ16年中にも直接株式投資できる体制が整うと日経紙には出ていたが、パッシブ運用限定とはいえ当然市場変動リスクを受けるワケでゆくゆくこの辺もスマートベータ等も絡めていろいろ議論されるのだろうか?またそれ以前に論点になりそうなのは議決権への政治介入絡めやはりガバナンスの確立というところだろうが、厚労省絡みなだけに紆余曲折も予想されるか。


今年のミシュラン

さて、今年も飲食店等を星の数で評価する「ミシュランガイド東京2016」の掲載店が先週に発表となったが、果たして三つ星店は1店増えて13店に、二つ星は51店、一つ星が153店という内容で各々昇格組も多かったが他ビブグルマンの対象料理もカレーや餃子まで対象が広がっている。

今回は私の家の近所でランチが美味しくてけっこう有名だった店が新たに星を獲得しこの店名は比較的早く目に飛び込んできたが、他にも数年前にほとんど毎日遅めのランチを食べに行っていた店まで星を獲得していたのには一寸驚いた。とはいえいろいろとマイナーチェンジしている部分もありご無沙汰している間に各々進化を遂げたのだろう。

もう一つ、上記のように良く知っている店ではないが今回はラーメン店が世界で初めて一つ星を獲得していたのも話題になっていた。もともと上記のビブグルマンからの昇格であったがこれを機にこのポストからの昇格組が増えてくるや否や、日本版が登場してからはや数年だがこの間内容も随分と変遷を遂げた気がする。


ロッテもまた

本日の日経紙一面には「ロッテ上場検討」と題して、ロッテホールディングスの副会長が傘下の中核企業ロッテの株式上場を検討する方針を明らかにした旨が載っていた。ロッテといえばいわずもがな日本では菓子大手で名が通っているが、最近では大塚家具よろしく経営権を巡って創業家間の争いが話題になっている。

近年では同じ業界からカルビー、大塚HD、サントリーや、他にも出光興産など長らく何れも創業家の舵取りが続き非上場を貫いてきた大手企業が相次いで株式上場の道を選ぶケースが多くなってきたが、このロッテもまた然りで首尾よく上場すれば冒頭のカルビー以来の大型案件となる。

ところで冒頭の本邦にあるロッテHDは中心企業であるが、韓国ロッテの中核に位置しているのはホテルロッテとなっている。今回の発表では来年上半期にも韓国でホテルロッテを上場させるらしいが、傘下による相互出資形態等一般のHDとは一寸毛色も異なりロッテHDの対ホテルロッテ出資比率は約2割といわれる。お家騒動の行方共々この辺のディスクロも今後注目されようか。


19期連続買い越し

さて、先週も書いたように金市場はこのところファンド売りが鮮明であったが、市場で米利上げペースが想定よりも緩やかなものになるとの見方が広がり、ファンド筋のショートカバーから昨日のニューヨーク市場の時間外では11月中旬以来の高値まで相場が上昇してきている旨が本日の日経紙で報じられていた。

さて、この金と言えばWGCの纏めでは各国中銀による7〜9月期の金需要が175トンの純増と最近では地政学リスクも反映してか過去2番目の高水準であった旨も報じられている。実に19四半期連続となっておりこうした中銀の用は市場ではなかなか無視の出来ないものとなってきている。

先月末にはIMFがSDRの構成通貨に人民元の採用を決めたが、これに先駆けて中国ではディスクロが行われてきており上記の期には毎月15〜19トンを購入しておりこれ以上のところではロシアが77トンを積み増している。両国共に欧米水準から見れば見劣りするもののロンドン等現物市場では存在感が際立つ場面もあり今後もその動向が引き続き注目されよう。


フィンテック日進月歩

本日の日経平均は堅調な米11月雇用統計を受けて週末から一転して急反発となった。同内容は非農業部門雇用者数が予想を上回る21万1千人増、失業率は前月と同じ5.0%となりこの発表でFF金利先物取引から算出される12月の利上げ確率は76%に上昇しており、利上げはほぼ確実と一部で報じられている。

これまで上値を抑えてきた主因が金融政策の不透明感であったと考慮すればこの度の利上げ確率は好感されて然るべきであったが、反面週末の急反落はECBが期待されていた追加金融緩和策を発表したものの期待されていた資産買い入れ規模拡大は含まれなかった事で市場に失望感が広がったもの。

斯様に金融政策結果でボラタイルな展開となる為にその予想にも関心が向かうが、先週の日経紙にはこの辺に関して「AIが読む政策と株価」と題しAI(人工知能)を使った予測モデルが立て続けに開発され、実際に追加緩和がコンセンサスであった先の10月の日銀金融政策決定会合では緩和に動かずとの示唆をしてその能力の高さが証明された旨も載っていた。

GSAMではアナリストリポートを全てAIで解析するというが、高速売買が市場を席巻し人が作成したリポートもAIに投げる時代になった。このGSは昨年にAIでリサーチャー業務を代替する米ベンチャーに出資もしているが、これら運用や助言はじめ電話応答までフィンテックも日進月歩となっている。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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