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今週週明けの日経紙の文化面には「ハマの陶工命浮き彫り」と題して、真葛香山研究家の田辺哲人氏による陶芸家の真葛香山の作品と解説が載っていた。これが目に留まったのもちょうど先月中旬から下旬まで日本橋で「超絶技巧・世界を驚かせた焼き物 真葛香山展」が開催され、私も終盤にこれを観に行っていたという事がある。
日経紙に出ていた作品写真はこの真葛香山の代表作でもある「高取釉高浮彫蟹花瓶」であったが、実物はやはり圧巻であった。もともと私が真葛香山に興味を持ったのもこの作品が、私の好きなエミール・ガレの名作「ストローブ松」や「蜻蛉文脚付杯」、ドーム兄弟の「チューリップ文花瓶」に見られるようなアプリカッション技法を彷彿させるようなものだったからである。
さながらヨーロッパが誇るガラス技法を東洋がポーセリアンでやったようなもので、今にも動き出しそうな写実的造形の完成度に衝撃を受けたものである。他にも茶道具の逸品の数々、三代目の「帆立貝魚柄磁器匙」のような欧州を意識したような焼き物から「乾山意松竹梅大壺」等に実際に生花を生けたコラボ作品まで久し振りに素晴らしい展を堪能出来た。