二強

今週の日経紙・一目均衡では「規制が呼んだ先物活況」と題したものがあったが、新興国の需要拡大が牽引した資源ブームが終わり原油相場は急落したものの、相場環境の激変に関係なくCME(シカゴ・マーカンタイル取引所)やICE(インターコンチネンタル取引所)など欧米の原油先物売買は急増を続けている旨が書かれていた。

言うまでもなく上記二強は世界首位を争う存在となっているが、NYMEXを買収したCMEは規制を切っ掛けに店頭デリバティブが取引所先物に移行する先物化を商機とし24時間売買システムのグローベックスが売り、ICEは欧米アジアに広がるグローバルな取引網と精算拠点を展開し500超の原油関連商品を上場する電子売買特化が売りである。

そうした背景もあって同紙によれば昨年の両者の売買高は原油相場が史上最高値を記録した2008年を9割も上回り、今年も先月までCMEが前年同期比で34%増、ICEが同17%増加と相場に左右されがちな本邦とは状況を異にしている。

そんなワケで昨今デリバティブが価格を形成する近年において、商社などサイバーで先駆する両者無しに取引は成り立たないのが現実。翻って東京市場、上記の状況にあるとはいえETN組成が奏功しその間接効果が寄与しているが規模拡大に今後どう向き合ってゆくのか欧米を見据えつつ課題は山積みである。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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