プラチナ熱
さて、昨日の日経紙夕刊には「プラチナ投資活況」と題して、貴金属販売最大手の田中貴金属工業で先月20日までのプラチナ地金販売量が前月同期の3.7倍となり、石福金属興業でも前月比4倍のペースで売れているなど金に対して下鞘が恒常化しているプラチナの販売が好調な旨が載っていた。
工業用需要一辺倒の特性から欧州や中国の景気減速を背景に両者の鞘は夏場から倍以上と更に大幅な広がりを見せ、「余りものに値無し」の構図をまざまざと見せられているが、これまでのアノマリーに賭けてストラドルを組んだ向きのロスカットもこの辺に一役買っている部分もあろう。
本日の日経平均はこの土壇場に来てのいわゆる「トランプリスク」の台頭で急反落となったが、VIXあたりの連日の続伸を見るにつけ来週以降もより現実味が増してくればまたぞろ一方で対極である金が注目され両者の鞘は更なる拡大となる可能性も高い。
この両者が逆鞘一周年となった今年の一月に当欄では、「需給は全てに優先」の先物と対照的にETF含め現物が絡む本邦の特異な買い手を指摘した事があったが、大統領選を挟んで今後も引き続き資産残高その他の推移を見てゆきたいところ。