歩み寄り
さて、周知の通り先週にはOPECがウィーン本部で総会を開き利害対立を抱えるサウジアラビアとイランが土壇場で歩み寄ったことから、実に8年ぶりの減産で最終合意する事となった。この結果原油先物はNYで50ドルを回復し、翌日の日経平均も大幅続伸する等様子見していた投資家のリスク選好姿勢が再度強まっている。
週明けの本日は過熱を冷ますような一服が続くような格好になったが、そんな中でも商社株や石油株は依然堅調と検討しているのが目立つ。資源関連等追い風が吹くが特に石油元売り大手などその備蓄量から在庫評価益はバカにならないし1ドルの原油価格上昇で大雑把に100億円近くの経常増益要因とはじかれる。
また資源関連といえばやはり商社が息を吹き返す。春先にドーハでの会合が不発に終わった辺りは資源デフレ蔓延といった感もあったのが記憶に新しく、これが恒常化していた為にPBRの低位に放置されていたものだが、週末には資源の雄、三菱商事が年初来高値更新を更新してきている。
上記の期には資源に偏重している各社は減損処理を余儀なくされたもので、こちらも1ドルの上昇で数億から数十億の増益要因となる事で漸く低指標から解放なるかといったところだが、マクロで見ればでは原油価格が現状より2割ほど上がると2017年度の実質国内総生産を0.1%押し下げるとの大手試算もあり総論ではまた課題も出てくる。