HFT界再編
本日の日経紙金融経済面には「超高速取引 淘汰の波」と題して、HFT(金融商品を高速で売買するハイ・フリークエンシー・トレード)大手の米バーチュ・フィナンシャルが同業のKCGホールディングスを買収する事で合意した旨が載っていた。システム開発の負担等が重く収益性維持には再編が避けて通れなくなってきたという。
バーチュといえば上場申請目論見書にて1238日間で損失を出したのがたった1日だけだったと謳い、5年で勝率99.9%という運用成績と併せて顰蹙を買った経緯があるが、赤字に転落したKCGホールディングスのみならず同社も16年12月期は上場後初の減収減益に陥り純利益は2割減となっている。
冒頭のシステム開発負担もさることながら取引低迷も大きな要因になっている。NY証取の売買高は一週間前に今年2番目の低水準、ナスダックに至っては今年最低を記録するなど盛り上がりに乏しく、注文と並行し収益機会も減少しているのは逆風。地政学リスクが燻るなか様子見姿勢が継続されるようであれば再編の波にさらされた業界も安穏とはしていられない。