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電子化の波

さて今月のあたまには臨時株主総会について少し触れたが、株主総会といえば先週末の日経紙には「株主総会 電子化じわり」と題して、東証一部企業の半数近くがインターネット経由で議決権を行使できる仕組みを導入、これによって行使率が前年から増えてきた企業もある旨が書いてあった。

電子投票は一昨年のコーポレートガバナンス導入によって加速してきたが、株式関係の電子化といえば8年前からスタートした株券電子化の時は一寸した衝撃であった。これによって破綻株券コレクターや街金の一部業務等々には支障が生じるハメになったが、一般的ではそれらを凌ぐ紛失・盗難からの解放、発行体側もコストや作業軽減等々になったのはいわずもがなである。

今となってはこの一昔前の株券電子化も随分と前の出来事にも感じてしまうが、今後は斯様に電子化もこの議決権だけではなくインターネットによる招集通知の発送などにも広がりそうで、今後も株主・企業双方の負担軽減を目指して電子化が加速してゆくのは想像に難くないか。


短期志向

週明け本日の日経平均は円高ドル安の一服を手掛かりに買戻しの動きから続伸となったが、先週は米軍がシリアに対してミサイル攻撃をし、各地ではテロめいた事件が起きるなど地政学リスク等の台頭から為替市場ではリスク回避の円買いが進行、株式市場からは資金が流出し投資家の目は安全資産とされる先進国債券や金に向かった。

為替は110円台まで急伸し日経平均は急反発の動きから値を消し一転してマイナス圏に沈む事となったが、オプション市場ではプットの総売買高が昨年の米大統領選の波乱があった昨年11月中旬以来5ヶ月ぶりの高水準となり、PCRも1.30倍と1年半ぶりの大きさだった3月9日の1.31倍水準に並ぶなどまたぞろ下落リスクへの備えの動きが出て来た。

生保等の手当てが目立った180プットなど本日は日経平均反発でプレミアムが先週末の半値以下の水準まで売られていたが、個人物色の活発なETF市場でも先週末の日経レバの商いが膨らみ売買代金は今年最大になった旨も日経紙に出ていた。

上記のデリバティブなど機関投資家のヘッジの用以外にも前後場で倍化する機会の増えてきた近年では個人が一発狙いの単発でエントリーするケースも多くなり、またETFもレバ型の商品多様化から個人の選択肢が飛躍的に増えている。出来高の爆発的な増加で先物等への波及効果も善し悪しだが、個別の回転日数低下と併せ総じての短期志向は先行き不透明感の高まりを如実に表している。


出足順調

さて、ちょうど一週間前の先月30日には「スシローグローバルHD」が再上場を果たした。このスシロー、知名度もあり8年ぶりの再上場という事でそこそこの注目度であったが、蓋を開けてみれば約200万株の売り気配でスタートしその初値は公開価格の3,600円を4.7%下回る3,430円と冴えないスタートとなった。

公開規模が760億円と大きく、そもそも公開価格も仮条件下限で決まっていた事や同じ日に上場した旬なAI関連の「ユーザーローカル」の人気に資金が流れた事も影響した感は否めないか。とはいえ今年公開価格を下回ったモノは同社と「マクロミル」の2社のみで、他は同じく上記のユーザーローカルや「ほぼ日」等25社が大きく公開価格を上回っている。

斯様に今年のIPOの出足は順調で、日経紙によれば1〜3月に上場した企業数は前年同期から約2割増の27社と07年の43社以来の多さという。当欄では約ひと月ほど前にIPO企業の業種の多彩化を書いたが、これらを映してか過去1年間に上場した銘柄の値動きを示すQUICK IPOインデックスも約10年ぶりの高水準で推移、今後のIPOと併せ上場ゴールが死語になってゆくか否かその推移が注目される。


東西の雄

さて、本日からオリエンタルランドでは運営する東京ディズニーランドの大規模な改装に乗り出している。この大規模再開発では映画「美女と野獣」や「ベイマックス」をテーマとする大型施設や新アトラクション、ミニーのグリーティング施設等を整備し2020年春のオープンを予定しているという。

ところでテーマパークといえば今週初めにはこの東京ディズニーリゾートとユニバーサル・スタジオ・ジャパンの東西2大テーマパークが昨年の入園者数を発表しているが、TDRが前年度比0.6%減の3千万4千人と2年連続減少となった一方でUSJは同約5%増の1,460万人と3年連続で過去最高を更新と対照的な結果となった。

TDRは天候事情にも左右されただろうが、さすがにライブや限定アトラクションを矢継ぎ早に打ち出すUSJを横目に些かのマンネリ感は否めなくなってきたか。目先では昨日から新キャラも投入したイースターイベントが始まっているが、やはり開業以来最大規模といわれる投資額750億円という今回の改装はTDSの180億と併せ大いに注目されるところ。


それぞれの船出

新年度の仕事始めとなった昨日は主要企業が一斉に入社式を開き、TVのニュース等でもこの辺の様子が多く流れていた。前向きな訓示で華々しく門出を祝う向きもある一方、昨年不祥事や経営問題で揺れたところなどはトップが信頼回復や反省を口にするなど各々明暗を分けていた。

企業によってはこのビッグイベントの前に臨時株主総会というもう一つのビッグイベントがあったところもあるが、新卒採用中止の東芝等はかつてお家騒動で揺れていた当時の大塚家具なみの話題を集め、幕張メッセで開催されたそれは果たしてというか総会屋ではない怒号の飛び交う総会となった。

他にも創業者と経営陣の対立で物議を醸し東芝と共に話題になっていたクックパッドもツイッター等で騒がれていた模様だが、世の環境としては妊活・育児からLGBTまで近年では働き方改革も進みつつあり各企業もそれに対する姿勢もまた問われている。改革で何が変わり新社会人もこの辺をどう見てゆくのか各々の想いを乗せ今年もスタートである。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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