統治の意義

さて、今年も多くの企業から定時株主総会案内やら議決権行使書が届く時期になったが、この株主総会も来週以降本格化してくる。株主総会といえば今年からは特に資産運用会社が議案賛否を個別開示し、その提案に厳しく臨むものとみられコーポレートガバナンスの質向上が一段と問われる。

資産運用会社といえばおおかた金融大手のグループという事になるが、これまで系列の投資先企業の議案賛否に対し今すっかり流行りになった所謂「忖度」があるのではとの疑念が付き纏っていたものだが、上記の個別開示でこの辺の透明性はグンと高まるということになる。

個別では予てより多くに議論されてきたものに複数の社外取締役選任があるがこれまで容認してきた基準を厳格化したり、また買収防衛策などにも反対意見が増えるなどこれまで以上に厳密に精査する姿勢が。6月以降の総会分については11月末迄に個別開示する必要があるが、いずれにしても株主と企業の対話がどう変貌し高水準な統治を目指す契機となるのか注目される。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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