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大都市の憂鬱

さて本日はふるさと納税感謝祭の案内が来ていたが、このふるさと納税といえば先週末の日経紙には「ふるさと納税846億円減収」と題し、直近で総務省が発表した調査結果で2017年度の首都圏1都3県では減収額が16年度比8割増の846億円に達し、全国の減収総額に占める割合は5割近くに上った旨が載っていた。

ポストには自治体から立派なカタログが時折届くように活況を呈するふるさと納税ではあるが、その陰では財源の流出に歯止めがかからない自治体の苦悩は続いている。そんな事を憂いてか総務省は所謂三割規制なるおふれを出したワケだが、その影響で駆け込み需要から3月下旬にはふるさとチョイス利用者が去年の1.8倍になったという。

そういった反動でこれまで上位ランクの常連だった自治体の一部では寄付額激減という憂き目に遭っているようだが、好調な返礼品の受注で設備投資や雇用を増やしてきた関連企業こそこうした返礼品激減で心中穏やかではないだろう。また総務省の一括りの通達から自治体の対応も大きく二分されてきているのが現状で全体の均衡化にはまだ紆余曲折がありそうだ。


BBC登場

さて月が替わってからは新聞等何所もビットコインの分裂に関するニュースが喧しい。1日の取引停止に先駆けて前倒しで入出金停止措置を取る企業もあり再開から再度の停止など各社の警戒感が依然燻る展開であったが、2日未明にビットコインは分裂し新通貨であるビットコインキャッシュが誕生の運びとなった。

国内各取引所としてはビットコインの保有量に合せて原則利用者にこのBBCを無償で付与するということになったようだが、実際のところ現在は黎明期でリアルな現場の方はまだまだ利用実績自体がほとんど無い事もあって、こんなドタバタ劇が起きても特に話題になるような現場の混乱は無かったようだ。

斯様にこの分裂で2つの規格が併存という事になり、情報収集に奔走していた上場企業の関連各社や各取引所は順次ビットコインの入出金を再開予定という事で騒動は収束か否かというところだが、民主的仕組みの善し悪しが色濃く出るだけに今後も承認手法等を巡り騒動再燃の恐れも燻り続けるか。


現代版PKO

本日の日経平均は米株式の5日続伸等を受け3日ぶりに反発となったが、依然として2万円大台を挟んで総じて小動きといった印象。小動きといえば本日の日経紙総合面には「日経平均が膠着」と題し、先月の日経平均は上下に270円しか動かず前月末の株価に対する変動率は1.3%と、第2次石油危機後の1980年以来、36年8ヶ月ぶりの低さであった旨が書いてある。

積極的な売買を主導する海外勢が日本株の売買を手控えているのも一因だが、かといって下値では日銀によるETF買いが要所で入りこちらも堅くなっている構図が続く。日銀としては買いの大義名分が立っているが、一方ではこれまで取り上げてきたように不動玉の吸い上げから歪な株価指標まで各所での弊害が日に日に色濃くなっている。

斯様に膠着が続いている日経平均だが、週末の東証上場銘柄に占める株の空売り比率は昨日で40.77と4月20日以来、約3ヶ月ぶりの高さとなっており、米株式も5日続伸し連日の過去最高値を更新し続けるも先週は逆にVIXが週間で+10%上昇しており両市場の警戒感の高まりをにじませているか。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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