実ってきた果実
さて、週末の日経紙一面にはトランプ米大統領がFRB次期議長にハト派のパウエル現FRB理事を指名した旨が載っていた。イエレン路線を継続し利上げペースも引き続き緩やかになるとの見方で金相場も連休前まで内外共にその水準を切り上げてきているが、またぞろ今月は金地金27キロを大型クルーズ船で密輸したとの事で那覇地検が関税法違反罪等で中国人ら4人を起訴したとの報が入ってきている。
さてこんな貴金属を使った不正錬金は論外として、先週末の日経紙マネー&インベストメントには「貴金属、株価調整に備え熱く」と題し一般では現物、先物からETF等々投資の選択肢が広がりを見せ、主力の金のみならず下剋上著しいPGM系貴金属もまた資産を分散する受け皿の一つになっている旨が書かれていた。
特にETF系は主力のSPDRが上場してはや10年近くになるが、後発の三菱UFJ信託の「金の果実」など上場時から27倍超と過去最高の水準にある事を同紙の記事で改めて知った。また「プラチナの果実」も金との価格逆転からその増加に拍車がかかっている格好で純資産残高は3年前のほぼ5倍の水準となっている模様だ。
このプラチナ含めたPGM系も上記の通り近年の下剋上でパラジウムが頭角を現してきており、本日も同シリーズ「パラジウムの果実」は年初から1万円ほど水準を切り上げて年初来高値を更新してきている。ETF活況が継続すればリクイディティの薄い他の組成モノへの波及効果も見込まれようが、斯様に選択肢の広がりは投資家の広がりを誘発し要のリクイディティの一助となって来ようか。