破綻でも満額以上?
さて、連日ビットコイン関連の報が喧しいが、昨日の取引でその価格ははや14,000ドルを突破、11月初旬から1カ月強で実に2倍強と大化けし、今月の上昇率だけでもはや40%を超えるという破竹の勢いである。そんな中を一週間ほど前に2014年に破綻して世間をザワつかせた仮想通貨取引所マウントゴックスの一部債権者が、1日までに東京地裁に民事再生手続きへの変更を申し立てたという旨の報があった。
即ち上記の通り鉄火場と化したビットコインが急騰している事で、同社に残るビットコインの資産価値を考慮した場合破綻当時の時価で債権者への返還額を決めてしまう破産手続きよりも、民事再生に変更した上でビットコインによる受け取りを債権者が選択した方が利益も大きくなり、なにより残余財産が社長へ流れるというのは到底承服出来ないという理屈だ。
相場変動によって訴訟のシナリオが変った例として思い出すのが、これとは異質だが数年前に起きた関西の某市が基金運用の為に為替相場に連動した仕組み債購入の事件か。購入後に相場が逆にいった事でリスク説明不十分とした訴訟を起こすほど評価損が膨らんだものの、その後のアベノミクス効果でこれが一気に解消したことから一転して訴訟を取り下げた一件であった。
ともあれ単純に弾いた計算で、当初は債権総額約456億円に対して約120億円程度しかなかったものが、今月アタマの段階で分裂によるビットコインキャッシュ付与含め約2,500億円超にまで倍々計算で化けている夢のような状況になっているワケで債権者としては毎日気が気ではないだろう。後は裁判所がどう判断するかという事になるが、債権者のみならずこの事例の帰趨がどうなるのか今後の行方が非常に注目される。