相互保護の重要性

さて近所ながら暫く通っていなかった道を歩いていた際にいつの間にか小洒落たチーズ専門店が出来ていたのを見掛けたが、欧州チーズといえば一昨日の日経紙社説では「食品の地域ブランドの保護を混乱なく」と題し、日本とEUが昨年大筋合意したEPAに基づき、GI(食品ブランド名称である地理的表示)を相互に保護する具体策を決めた旨が載っていた。

このGIに関しては当欄でも昨年の夏に一度触れ、その際にアメリカ製のパルメザンチーズや、カマンベールチーズの名前も使用するのが危うくなるとのでは?と書いていたが、農水省によれば国内で粉チーズの総称として普及している「パルメザン」の使用は本来の欧州のGIと混同しなければ問題なく、「カマンベール」も欧州の地域名と切り離して使う場合は侵害とはならないという。

ただ○○県産ゴルゴンゾーラやオマージュなる言葉を絡めた例は侵害に当たるとしているが、この辺はレストランのメニュー表記一つとっても無数に存在している。既存食品名でGI侵害に当たる場合は協定発効から5〜7年の経過措置が終るまでに変える必要があるが、神戸ビーフなど粗悪な偽造品も相当数出回っており相互保護の重要性が益々問われる事になりそうだ。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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