今年もイタチごっこ
先週末の日経紙総合面には「金密輸 4年で100倍」と題し、23日に財務省が公表した昨年1年間で全国の税関が摘発した金の密輸状況が、摘発件数で前年比66%増の1,347件と過去最高を4年連続で更新、消費税増税前の13年は12件であった事から実に4年で100倍以上に増えた旨が書かれていた。
この金密輸といえば今年に入ってからJALの機内トイレに金塊を隠し国内に密輸しようとした男女6人が逮捕された事が報じられているが、先月末にも中部国際空港で韓国からのツアー客7名が体内に金塊を隠して密輸入を謀ろうとした事件が発覚しているが、それにしても度々当欄でも取り上げている通り金密輸事件は絶えない。
今回の件含め体への巻き付けやスーツケースやアクセサリーの一部に隠したりとその手法は原始的な方法が殆どだが、中には海路を使ったり主流の空輸にしてもLCCが登場して以降はイグジットを想定し国際線と国内線の共同運航に着目するあたりなるほど目敏い。
上記の体内に隠した件では消費税と罰金相当を納付すれば金塊は返却するそうだが、財務省は関税法の罰金上限をこれまでの500万円から大幅に引き上げるなど抑止効果を高める事を図っている。以前にも書いたように金密輸成功率からの試算例では、年100億円が国庫から奪われている計算と看過できない額となっている事で今年も対策が焦眉の問題である。