呼び水の賞味期限
さて、トランプ米大統領によるイラン核合意からの離脱表明など緊迫化する中東情勢を背景に先週からWTIは70ドルの大台に乗せてきたが、先週末の日経紙商品面には「東証取 原油 の売買低迷」と題し、原油相場が上昇基調を強めるなかを先物の売買高は6ヵ月連続で前年を下回るなど低迷している旨が書かれていた。
当の東商取の原油先物はWTIに歩調を合わせる格好で先週末に2015年6月以来の高値を付けて来たが、原油先物のボラティリティーが高止まりする中で売買高が今一つ伸びない背景には「日経・TOCOM原油ダブル・ブルETN」等のETN経由で流入する資金の減少が指摘されている。
ETNの東商取への絡みといえば2年前に当欄では、「東商取にとってETNやETFの組成はまさに救世主となった格好か。商品の設計上まさに東商取への間接効果は絶大、先月からJ-GATEも稼働しアジア指標確立まで視野に入れる東商取としてはこれをテコに幅広い参加会社の誘致など課題だろうか。」と書いていた。
冒頭の日経紙商品面での末尾には「〜ETNのかさ上げ効果がはげた現在の売買高低迷は、石油会社など実需家や個人投資家の参加が限られている課題を浮き彫りにした。」と書かれているが、上記の2年前に書いた課題がなお残されている事の証左か。