VIXの余震
さて、先週末12日の米株式市場でダウ工業株30種平均は4日ぶりに急反発、世界的な株安連鎖には歯止めがかかったかと思ったのも束の間、週明け本日の日経平均は日米貿易協議を巡り米国が通貨安誘導を封じる為替条項を日本に求める考えを示した事を受け、投資家が警戒を強めた事から再度急反落となった。
世界的株安の連鎖といえば今年2月の光景を思い出すが、先週末の日経紙には「恐怖指数 株安を加速」と題し、今回の株安の根底には投資家の不安心理を映すとされる「VIX指数」の急騰というメカニズムがあり、同指数に連動する形で運用している一部ファンドから機械的な売りが出た模様とあった。
急落した先週11日には国際のVIX短期先物指数が5日続伸し一時17%高まで急騰する場面があったが、週末の一服から本日も再度急反発となっている。今年2月のVIXショックも記憶に新しいが、この時インバースVIX短期ETNが一気に約17分の一まで急落したほか、東京市場ではNEXT NOTES S&P500 VIXインバースETNも早期償還でその姿を消している。
斯様な組成モノが牙を剥くのも近年の特徴だが、上記の通りリスク・パリティ型ファンドの売りなど需給上の要因からショック安も増幅されているという側面も最近では顕著になってきており、世界的な株安連鎖の後ではVIXの余震がどの程度まで続くか投資家も戦々恐々となる。