利便性向上の功罪
さて、昨日の日経紙には株式の取引において個人投資家でも1つの大口注文を自動で幾つかに分割して出したり、指値の気配値が出るまでは注文を出さず気配が出たら即時に発注できるようにするなど、アルゴリズム取引の一種で売買注文が効率的に成立し易くするなどプロの機関投資家並みの注文方法を利用できる仕組みの導入が相次いでいる旨が書かれていた。
思えば黎明期のホームトレードなど出た時は自身で注文が出来る事自体が衝撃であったが、板にしても先ず電話して担当営業マンに見てもらうか店頭に置いてあるクイックでくらいしか見られなかったモノが、ネット証券の台頭で目の前に並ぶという夢のような状況になり手数料も信じ難いほど安くなった事も上記のようなモノが出て来るともう昔のような錯覚に陥る。
一方でリアルタイムに板状況を確認出来るフル板の引け成り情報などを悪用し株価を操作して鞘抜きしていた輩が、証券取引等監視委員会から金商法違反の偽計取引にあたるとして、課徴金納付命令を出すよう金融庁に勧告されていた旨を週明けの日経紙で見掛けた。飛躍的な利便性向上のバイプロ?でこうした輩も排出されるようになったが、懲りない面々は日々次の悪知恵磨きに余念が無くいたちごっこの構図は変らない。