外れ無き案件
今月中旬に当欄では「アクティビストの捉え方」と題し物言う株主について触れたが、物言う株主といえば先週末の日経紙投資情報面には「東芝、株主攻防第2幕へ」と題し、東芝が大型増資で投資ファンドらから6000億円を調達してこの1年での株の売却状況で、増資によって新規発行した株式の約22.8億株の約5割程度が市場の内外で売却されている旨が出ていた。
東芝について当欄が触れたのは昨年7000億円規模の自社株買いを実施する方針が伝えられた時だったが、当時は部にこれが売却促進政策思惑も出ていたが果たして今回の売却では先月までに引き受けの殆どを売却した向きは、何れも単純利回りにして約2割の売却益を得てのイグジットとなった模様。
もともと増資自体が有利発行ギリギリの水準とはいわれていたなかで、同紙に出ていた主なファンドリストの中にあったサードポイントは実質1週間程度でこれを捌き、日経紙のリストに出ていない向きでは僅か4日程度で実現益を手に入れたファンドもあった。一方で旧村上ファンド系のエフィッシモ等は保有を続けており攻防第2幕云々と日経紙で書かれているものの、株価も上記自社株買い効果で嵩上げされており何れにせよ美味しいハコであったというところか。